「メリークリスマス」の意味とは?「メリー」は何?わかりやすく解説

言葉

メリークリスマスとは「良いクリスマスを」という意味です。

クリスマスシーズンになるとよく聞く言葉ですが、その意味や使い方について深く考えたことがないという方が多いのではないでしょうか。

「そもそもメリーはどのような意味なのだろう?」という疑問も湧いてきますよね。

そこで、この記事は、メリークリスマスの意味や、日本・海外での使い方、類義語などについて詳しく解説します。

「メリークリスマス」の意味

メリークリスマス

良いクリスマスを

例:メリークリスマス!今から今年のクリスマスプレゼントを渡すね。

メリークリスマスとは、「良いクリスマスを」という意味のあいさつです。

相手が幸せなクリスマスを過ごせることを願って使います。

「メリークリスマス」の使い方

「メリークリスマス」の使い方は、日本と海外(※)でやや異なります。

使う時期使う相手
日本12月24・25日直接会ったり連絡をとったりした人
海外(※)12月はじめ〜クリスマス当日は直接会うことのない相手

日本と海外でのそれぞれの使い方について、詳しく見ていきましょう。

(※)ここでの「海外」は、おもにキリスト教徒の多い英語圏の地域を指します。

日本での使い方

日本でメリークリスマスという挨拶が使われるのは、12月24日と12月25日の2日間です。

24日はクリスマスイブ(クリスマスの前日)であり、クリスマスの当日は25日です。

そのため、メリークリスマスのもつ細かいニュアンスは、24・25日のどちらに使うかによってやや異なります。

  • 24日に使う場合
    「今日(24日)と明日(25日)で楽しいクリスマスを過ごしてね」という意味合い
  • 25日
    「今日(25日)は楽しいクリスマスを過ごしてね」という意味合い

例文

日本でメリークリスマスは、12月24日または25日に、直接会ったり連絡をとったりした人に対して使うことが多いです。

  1. メリークリスマス! 今からクリスマスプレゼントを渡すね。
  2. メリクリ〜!今年のクリスマスはどう過ごしているの?
  3. メリー X’mas

近年では例文②のように、メリークリスマスをカジュアルに省略した言葉として、「メリクリ」も用いられています。

親しい友人とのくだけた会話には「メリクリ」がよく使われます。

“X’mas” は正式には “Xmas”

日本では、クリスマスを省略して書きたい場合に、X’masという表記がよく使われます。

しかし、X’masは日本独自の書き方で、英語では “Xmas” とアポストロフィを使わずに書きます。

 

ただし、英語のなかで “Xmas” はあまり使わない方が良い表現です。

キリスト教徒のなかには、キリストの名前を略することを好まない人もいるため、正式に “Christmas” を使うのが無難なのです。

ちなみに、なぜXという文字を使うのかというと、ギリシア語では、キリストのことを“XPIΣTOΣ” と表記するからです。

海外での使い方

海外でメリークリスマスは、11月の終わりごろ〜12月の初めごろから使いはじめます。

海外のクリスマスは、12月24日の夜〜12月25日の夜にかけての期間です。

しかし、12月に入ったあたりから、広い意味でのクリスマスシーズンは始まっており、「良いクリスマスを過ごしてね」と挨拶し合います。

例文

海外でメリークリスマス(Merry Christmas)は、クリスマス当日は直接会うことはない相手に、前もって伝える言葉です。

クリスマス当日に顔を合わせる相手には使いません。

  1. Merry Christmas
    (楽しいクリスマスを)
  2. We wish a Merry Christmas.
    (楽しいクリスマスを過ごせますように。)
  3. I wish you a Merry Christmas.
    (楽しいクリスマスを過ごせますように。)
  4. Merry Christmas and happy new year!
    (楽しいクリスマスと楽しい新年を!)

例文④のように、英語圏では「クリスマスと新年の両方が楽しく過ごせますように」とまとめて挨拶することもあります。

“Christmas” の “C” は大文字で書く

文の途中であっても、“Christmas” の “C” は大文字で書きましょう。

なぜなら、“Christ” が固有名詞の「キリスト」であるからです。

英文法では、固有名詞の頭文字は大文字で表記します。

「メリークリスマス」の語源

メリークリスマスの語源は、 英語の “Merry Christmas(楽しいクリスマスを)” です。

具体的には以下のような流れで、日本のカタカナ語につながりました。

“I wish a Merry Christmas(楽しいクリスマスを過ごせるように祈ります)”

省略形で “Merry Christmas” という挨拶も定着

日本では、“Merry Christmas” をカタカナ語にした「メリークリスマス」が生まれた

つまり、“I wish a Merry Christmas(楽しいクリスマスを過ごせるように祈ります)”という英文が短縮して “Merry Christmas” という表現が生まれたのです。

“Merry Christmas” の意味を詳しく

“Merry”と “Christmas” には、それぞれ以下のような意味があります。

  • Merry
    楽しい
  • Christmas
    クリスマス

“Merry” の意味

“Merry” は、「愉快な、活発な」という意味の形容詞です。

“Merry-Go-Around(メリーゴーランド)” も、乗り物に乗って回るのを楽しむ遊具であるため、“Merry” が使われています。

“Christmas” の意味

“Christmas” は、「クリスマス」を表す名詞です。

“Christmas” の意味をさらに分解すると、下記のようになります。

  • Christ
    (キリスト)
  • mass
    礼拝

キリスト教においてクリスマスとは、キリストの誕生をお祝いする行事です。

24日の日没〜翌25日の日没までがクリスマスに当たります。

日本の大衆的なクリスマスは、恋人や友人と過ごすことが多いです。

一方、キリスト教のクリスマスは、家族と過ごすものです。

クリスマスイブとクリスマスについて

クリスマス当日(25日)ではなく、クリスマスイブ(24日)もお祝いする理由として、以下のような理由があげられます。

もともと、クリスマスの行事が始まった時代はユダヤ暦に基づき、1日が“日没”から始まっていました。

つまり、当時の考え方では、12月25日は、24日の日没(夕方〜夜)から始まっていたのです。

そのため、現在でも24日は、25日と同様にクリスマスのお祝いをする日にあたります。

「メリークリスマス」の類義語

メリークリスマスには以下のような類義語があります。

  • ハッピークリスマス
    楽しいクリスマスを
  • メリクリ
    楽しいクリスマスを
    (メリークリスマスの省略形)
「ハッピーメリークリスマス」は誤り

ハッピーメリークリスマスは、言葉として間違っているため気をつけましょう。

メリーにもともと「楽しい」という意味があります。

そのため、「メリークリスマス」にさらに「ハッピー」をつけてしまうと、「楽しい」という意味が重複してしまうのです。

ですから、「ハッピークリスマス」または「メリークリスマス」のどちらかを使いましょう。

“Merry Christmas” の類義語

英語の “Merry Christmas” には、以下のような類義語があります。

  • Happy holidays
    (楽しい休日を)
  • Happy Christmas
    (楽しいクリスマスを)

“Merry Christmas” はキリスト教の色合いが強い言葉であるため、代わりに“Happy holidays” や“Happy Christmas”を使う文化も多いです。

特に “Happy holidays” は、キリストの名前が入っている “Christmas” という語を含まないため、さまざまな文化をもつ人に対して広く使うことができます。

「メリークリスマス」が使われる楽曲


「メリークリスマス」は、楽曲のタイトルや歌詞によく使われます。

具体的な例として、以下のような作品があげられます。

  • 『戦場のメリークリスマス』(坂本龍一)
  • 『メリクリ』(BoA)
  • 『メリークリスマス』(BUMP OF CHICKEN)
  • 『Very Merry Xmas』(東方神起)
  • 『メリークリスマス』(二宮和也)

それぞれの楽曲について解説します。

『戦場のメリークリスマス』(坂本龍一)

『戦場のメリークリスマス』は、音楽家・坂本龍一さんによるサウンドトラックアルバムのタイトルです。

同名の映画のテーマ音楽が収録されています。

 

映画『戦場のメリークリスマス』は、大島渚監督による作品です。

第二次世界大戦中、日本が統治していたジャワ島で、捕虜や軍人たちが思いがけない友情を築くというストーリーとなっています。

音楽を坂本龍一さんが担当し、登場人物の一人をビートたけしさんが演じていることで有名です。

ちなみに、この映画は「メリークリスマス、ミスターローレンス」と言うセリフで幕を閉じます。

『メリクリ』(BoA)

『メリクリ』は、歌手のBoAさんが2003年にリリースした楽曲です。

直接的にクリスマスに触れている歌詞ではありませんが、雪が降るなかで相手への愛情を確かめるという内容のバラードになっています。

『メリクリ』は当時、日韓同時に発売されました。

BoAさんの代表曲の1つとして親しまれています。

『メリークリスマス』(BUMP OF CHICKEN)

『メリークリスマス』は、バンド「BUMP OF CHICKEN」が2009年にリリースした楽曲です。

クリスマスの街並みや、人の心の動きについて歌う曲で、最後に “Merry Christmas” を繰り返すパートがあります。

『Very Merry Xmas』(東方神起)

『Very Merry Xmas』は、アイドルグループ「東方神起」が2013年にリリースしたクリスマスソングです。

懸命に生きる人を優しく励まし、「素敵な一年が訪れるように」と願う歌詞になっています。

サビには、「Very Merry Xmas, Very Merry Xmas!」というフレーズが使われています。

『メリークリスマス』(二宮和也)

アイドルグループ・嵐の二宮和也さんによるソロ曲にも、『メリークリスマス』という楽曲があります。

この曲は、2014年の嵐のアルバム『THE DIGITALIAN』に収録されており、作詞と編曲を二宮さん自身が手がけています。

クリスマスの日、好きな人との距離を縮めようと思いを募らせるという内容の歌で、最後には以下のような歌詞が出てきます。

呼吸を整えて最後に一言「メリークリスマス!」

[出典:メリークリスマス]

「メリークリスマス」のまとめ

以上、この記事ではメリークリスマスについて解説しました。

英語表記メリークリスマス(Merry Christmas)
意味楽しいクリスマスを
語源英語の “Merry Christmas”
類義語ハッピークリスマス
メリクリ
Happy holidays
(楽しい休日を)
Happy Christmas
(楽しいクリスマスを)

メリークリスマスの正しい使い方や類義語をふまえ、素敵なクリスマスを過ごしましょう。