「心配する」「不安に思う」といった意味を英語で表現するとき、あなたはなんと言いますか? “anxious” “worry” “concern” 、色々な表現がありますね。
実は、これらの表現、使うタイミングや意味合いが微妙に違うんです。あなたは、それぞれどんな時に使えばいいのか分かりますか?
今回は、使い分けが難しい “anxious” “worry” “concern” の違いを解説していきます。
このページの目次
結論:漠然とした未来は “anxious” 、ビジネスなら “concern”
“worry” は、個人的な不安・心配について心の中にため込んでいるときに使用する動詞です。
“concern” は、周囲の人・出来事に対する心配を表すときに使用する動詞です。
“anxious” をもっと詳しく
“anxious”は、「心配して、不安な、切望して」といった意味を持つ形容詞です。「心配して、不安な」といった意味は、特に未来に「起こるかもしれない結果」に対する不安・心配を表すときに使用します。
“worry” “concern”よりも漠然とした心配を表します。また、「切望して」という意味は、他の2語にはない意味です。
“anxious”使用例文
“anxious” の使用例をいくつか挙げていきます。
(彼女は、彼女の息子がテストで失敗しないか心配だ。)
→未来に起こる「テストの失敗」に対する漠然とした不安・心配を抱いているため、 “anxious”を使います。
(彼女は彼女の息子のテストを心配している。)
→前置詞の “about” とセットで使うときもあります。
(私は愛を切望している。)
→ “worry” “concern”の2語は「切望している、欲している」といった意味はありません。
“worry” をもっと詳しく
“worry” は「心配する、心配させる、くわえて振りまわす」といった意味を持つ動詞です。特に、現在自分が抱える個人的な問題に対して不安を抱いている時に使います。
「胸の中がモヤモヤしている」というイメージで、“afraid” には含まれる「恐怖心」のニュアンスはありません。解決の方法は見つかっておらず、不安な感情をため込んでいる感じです。
悩んでいる度合いでいうと、 “anxious” “worry” “concern” の中で一番強いです。
“worry”使用例文
“worry”の使用例文をいくつか挙げていきます。
(私は、自分がクビになるのではないかと心配していた。)
→ “worry”をそのまま動詞として使うと、日常的で持続的な心配・不安を表します。
(私は来週の日曜日の入学試験が心配だ。)
→形容詞 “worried” の形で使うと、一時的な心配・不安を表します。
(私の愛犬は、私のカバンをくわえて振りまわしている。)
→ “anxious”、“concern”の2語にはこのような意味はありません。
“concern”をもっと詳しく
“concern” は、「心配する、心配させる、関係している」といった意味を持つ動詞です。「関心ごと、関心、心配」といった意味の名詞としても使用します。
“concern” は、周囲の人や出来事に関しての心配・懸念を表現する際に使います。同僚・上司・他社など、自分以外の存在との関わり合いが多いビジネスでは、”concern”が使われることが多いです。
“worry” の「胸の中がモヤモヤしている」というようなニュアンスはありません。どちらかと言えば、既に起こってしまった出来事について、これからのことを気にかけ、ポジティブに対策を考えているような意味合いになります。
“concern”使用例文
“concern”の使用例文をいくつか挙げていきます。
(クレジットカードの支払いが心配なんだ。お金貸してくれない?)
→ お金が足りないという現在抱えている心配事に対して、積極的にお金をせがみ、解決を図っています。
(彼は今季の売上高を懸念している。)
→今季の売上げがあまり良くなかった、という既に起こった事実について、これから出る売上高を心配するようなニュアンスになります。
(トムはたくさんに苦情に非常に気にしている。)
→人以外が主語になり、「心配させる」という使い方もできます。
まとめ
以上、この記事では、“anxious” “worry” “concern” の違いについて解説しました。
- “anxious”:漠然とした未来の不安を表す形容詞
- “worry”:自分に関する心配事を抱えた状態を表す動詞
- “concern”:周囲のことに関する心配を抱いた状態を表す動詞
経験に基づいてなんとなく使い分けられる英語上級者でも、なかなか正確な定義までは知りません。特に同じ動詞で「心配する」という意味を持つ “worry” “concern”の使い分けはなかなか難しいでしょう。
しかし、外国人と話している時にこれらを混同してしまうと、「あれ、今の表現ちょっと違和感あるな」と思われてしまうかもしれません。また、これらの語は、TOEICでも出題される単語です。しっかりと使い分けを覚えておきましょう。