今回ご紹介する言葉は、四字熟語の「孤城落日(こじょうらくじつ)」です。
言葉の意味、使い方、由来などについてわかりやすく解説します。
☆「孤城落日」をざっくり言うと……
読み方 | 孤城落日(こじょうらくじつ) |
---|---|
意味 | 元々あった勢いを失い、衰えて滅んでいくこと |
由来 | 唐の詩人である王維の「送韋評事詩」より |
類義語 | 孤城落月(こじょうらくげつ)、孤立無援(こりつむえん)、四面楚歌(しめんそか) |
「孤城落日」とは?
「孤城落日」の意味を詳しく
「孤城」は孤立無援の城、「落日」は沈んでいく太陽を表しています。元々あった勢いを失い、頼りなく滅んでいくものの例えです。
「孤城」も「落日」も、滅んでいくものの例えです。同じ意味の熟語を重ねることで、より強い意味を表す四字熟語です。
「孤城落日」の使い方
「孤城落日」は、文中では以下のように使われます。
- あの会社も今は孤城落日、あとは衰退する一方だろう。
- 彼は孤城落日だと噂されていたが、努力を重ね再び日本代表に選ばれた。
人や団体の様子を表す言葉として使われることがほとんどです。
「孤城落日」の由来
中国の唐の時代に活躍した、王維(おうい)という詩人が作った詩「送韋評事詩」の一節が由来になっています。
以下は、「送韋評事詩」の原文と現代語訳です。
沙場走馬向居延
遙知漢使蕭關外
愁見孤城落日邊
将軍に従って右賢(ゆうけん)をとらえようと
砂漠に馬を走らせて居延(きょえん)に向かう
使者が蕭関(しょうかん)の外にいるのが遠くからでもわかる
君は孤城の落日を 愁(うれ)いの目で見るだろう
孤立し、今にも攻め落とされそうな城が沈んでいく夕日に照らされている、どうしようもない情景が目に浮かびます。
王維の作った詩は、「孤城落日」の他にも、「柳暗花明(りゅうあんめい)」という四字熟語の由来になっています。柳の葉が茂って暗くなり、花が咲きほこって明るくなる、美しい春の景色を表す四字熟語です。
詩人としてだけでなく、画家としても活躍した人物です。詩人として存命中に高く評価され、当時は有名な李白や杜甫などの詩人たちを超えるほどの人気を持っていました。
「孤城落日」の類義語
「孤城落日」には以下のような類義語があります。
- 孤城落月(こじょうらくげつ):勢いが衰え、滅んでいくものの例え。
- 孤立無援(こりつむえん):頼るものがなく、助けのない様子。
- 四面楚歌(しめんそか):周りが敵ばかりで孤立し、助けのない様子。
戦において、孤立する状況はよく起こります。そのため、その状況をうたった詩や文章も多く残されています。
まとめ
以上、この記事では「孤城落日」について解説しました。
読み方 | 孤城落日(こじょうらくじつ) |
---|---|
意味 | 元々あった勢いを失い、衰えて滅んでいくこと |
由来 | 唐の詩人である王維の「送韋評事詩」より |
類義語 | 孤城落月(こじょうらくげつ)、孤立無援(こりつむえん)、四面楚歌(しめんそか) |
言葉の成り立ちを知ると、意味や使い方への理解が深まります。ぜひ覚えて使ってみてください。