今回ご紹介する言葉は、カタカナ語の「アメニティー」です。
「アメニティー」の意味・使い方・語源についてわかりやすく解説します。
☆「アメニティー」をざっくり言うと……
英語表記 | アメニティー(amenity) |
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意味 | 環境の快適さのこと |
語源 | ラテン語の amoenus |
「アメニティー」とは?
「アメニティー」の意味を詳しく
「アメニティー」とは、主に「環境の快適性」を意味するカタカナ語です。しかし、この意味から派生して、広い意味で用いられる言葉でもあります。
「アメニティー」は、大きく分けて 3つの意味を持ちます。1つ目の意味は、「人間が環境や気候・風土などの環境に対して感じる快適性」です。
2つ目は、「生活の楽しさや快適性を提供する都市計画や施設のこと」という意味です。また、3つ目の意味は、ホテルの洗面所や飛行機のビジネスクラスなどに備えられた、化粧品や歯ブラシなどの「備品」のことを指します。
つまり、「アメニティー」の広義(こうぎ)が、環境や気候に対する「快適性」です。そこから、生活の楽しさや、ホテルなどにおいて人を快適にしてくれるものという意味で「アメニティー」が用いられるようになったということがわかります。
日本もっとも使われるのは「備品」としての用法です。アメニティーグッズなどとも呼ばれています。
「アメニティー」の使い方
- アメニティーが充実した、過ごしやすい街であるという印象を受けた。
- この間乗った航空会社のアメニティーは、あの超高級雑貨店のものだった。
①の文では、「街の施設や公共物など、快適な生活を送るに十分な環境」という意味で「アメニティー」が用いられています。
また、②の「アメニティー」は「備品」という意味を示しています。
「アメニティー」の語源
アメニティーの語源はラテン語の amoenus です。
amoenus は「快適性」という意味をもつラテン語の言葉です。
amenity の”ami-“という語頭には「愛する」という意味があります。これは、語源である amoenus は「愛する」という意味のラテン語 amare の派生形であるためです。
この amoenus から派生して英語になったものが amenity です。amenityは、18世紀にイギリスで始まった産業革命(さんぎょうかくめい)に際して生まれた考え方と言われています。
産業革命とは、技術革新によって、それまでの手工業(しゅこうぎょう)から工場生産へと進化し、モノの大量生産が可能となったことによる社会・経済構造の大幅な変化のことを意味します。産業革命によって人々の生活は大きく進化しましたが、一方で環境の悪化も招いてしまいました。
この産業革命による環境の悪化を改善しようとして生まれたのが amenity です。都市計画を練り、発展と環境を両立することで、生活の快適性を確保しようとしたのです。
以上が、アメニティーという言葉の語源です。
まとめ
以上、この記事では「アメニティー」について解説しました。
英語表記 | アメニティー(amenity) |
---|---|
意味 | 環境の快適さのこと |
語源 | ラテン語の amoenus |
現代社会はよく、「ストレス社会」とも言われます。社会に出ると、人間関係に対する疲れや仕事などに対するストレスは日々積み重なるものです。
だからこそ、都市の中に自然を組み込むことは、心の安らぎの場所を確保することになります。家や街を選ぶときには、アメニティーの有無を基準にするとより快適な生活が送れるかもしれませんね。