今回ご紹介する言葉は、カタカナ語の「ニュートラル」です。
「ニュートラル」の意味・使い方・語源について分かりやすく解説します。
☆「ニュートラル」をざっくり言うと……
英語表記 | ニュートラル(neutral) |
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意味 | どちらにも属さず、中立である状態 |
語源 | ラテン語のneuter |
「ニュートラル」とは?
「ニュートラル」の意味を詳しく
「ニュートラル」とは、中立である状態です。
AとBの2つの意見が対立しているとします。Aに賛成している人は、対立するBに反対することになります。一方、中立な立場をとる人は、AとBのどちらに賛成するわけでも、反対するわけでもない状態です。
英語の “neutral” の意味は、「どちらにも偏っていない」「どちらにも属していない」という意味です。意見の対立においては、AとBのどちらにも偏っていないのが「ニュートラルな意見」と言えます。
ニュートラルには、どちらの意見にも偏らず「バランスが取れている」「客観的」などの良いニュアンスがあります。しかし、どちらにも属していないことは、「はっきりしない」という悪いニュアンスもあります。
カタカナ語のニュートラルは、あまり悪い意味で使われません。ただし、英語では「はっきりしない」「中間色の」という意味もあります。中間色は、くすんではっきりしない色です。
車のギアの「ニュートラル」とは
車を運転したことがある人なら、ギアに “N” があることに気づくでしょう。これは「ニュートラル」というギアの状態を指します。ふだんの運転ではほとんど使いませんが、意味を知っておいて損はありません。
ニュートラルのとき、ギアはエンジンと離れていて、エンジンの動力が車に伝わらないようになっています。ギアがエンジンにくっつかない状態が「どちらにも属していない」ニュートラルな状態というわけです。
ニュートラルを使うのは、車が故障するなどして、押したり牽引(けんいん)されたりする必要があるときです。ギアがエンジンと離れているので、外から力を加えるとタイヤが回ってくれます。
下り坂でギアをニュートラルに入れても、燃費はよくなりません。ギアがエンジンと離れて動かなくなるだけで、エンジンは常に動いているからです。急坂を下るときは、セカンド(2もしくはS)ギアに入れるとエンジンブレーキがかかって安心です。
「ニュートラル」の使い方
- 本来「批判」はニュートラルな意味で、相手を否定するような意味はない。
- ニュートラルな立場に立っているつもりでも、実際は偏っていることが多い。
- オートマ車(AT車)の運転でギアをニュートラルにすることは、まずない。
❶と❷の例文のように、ニュートラルは「中立な」という意味で使われることが多いです。「意味」や「立場」などの言葉によく使われます。また、❸の例文では、車のギアの意味で使われています。
「ニュートラル」の語源
「ニュートラル」の語源はラテン語の “neuter” です。「どちらでもないもの」が元々の意味です。
現在は、「中性の」という意味で使われています。ここで言う「中性」は、ラテン語に関係する言葉です。ラテン語やドイツ語などでは、名詞の種類が、文法によって「男性」と「女性」と「中性」に分けられます。名詞の「中性」の意味でneuterが使われています。
まとめ
以上、この記事では「ニュートラル」について解説しました。
英語表記 | ニュートラル(neutral) |
---|---|
意味 | どちらにも属さず、中立である状態 |
語源 | ラテン語のneuter |
何か判断をするとき、どちらの意見にも偏らずニュートラルな立場を保つのは大切です。