今回ご紹介する言葉は、熟語の「抜擢(ばってき)」です。
言葉の意味・使い方・類義語・英語訳についてわかりやすく解説します。
☆「抜擢」をざっくり言うと……
読み方 | 抜擢(ばってき) |
---|---|
意味 | 多くの人の中から選び出して、ある役職や立場にその人を登用すること |
類義語 | 擢用、登用、挙用 |
英語訳 | choose(欲しいものを選ぶ),select(ある基準で選び出す),selection(ある基準で選び出すこと),pick out(選び出す、みいだす) |
「抜擢」の意味をスッキリ理解!
「抜擢」の意味を詳しく
抜擢は、「多くの人の中から選び出して、ある役職や立場にその人を登用すること」という意味を持つ熟語です。
抜擢の「抜」は「抜き出す」という意味であり、「擢」は「選び出す」という意味です。つまり、似た意味の漢字が 2つ用いられています。
また、「抜擢」は「ばったく」とも読みます。
「抜擢」の使い方
- 無名の新人が、この映画の主演に抜擢された。
- 彼を社長に抜擢したのは、他でもなく私だ。
- 彼女は国際大会への出場経験がないものの、世界選手権の代表に大抜擢された。
- 彼は多くの先輩を押しのけて取締役に出世した。それは我が社創立以来の抜擢人事だった。
③のように「大抜擢」となると、従来の意味に加えて、「一般的ではない基準や観点で選ばれた意外な人物を選ぶ」という意味で用いられます。
④のように「企業が高いポストに社員を位置付けるときに、年齢など関係なく優秀な人材や未経験者を選んだり、若い人を高いポストに起用したりする人事」のことを表すとき、「抜擢人事」が用いられます。
「抜擢」の類義語
抜擢には以下のような類義語があります。
- 擢用(たくよう):多くの人の中から選び出して、採用すること
- 登用(とうよう):人材をある地位や役職に引き上げて、用いること
- 挙用(きょよう):下の地位にいた人を、上の地位にとりたてて使うこと
- 起用(きよう):ある役割に人を用いること
- 採用(さいよう):適切なものごとや人などをとりあげて、用いること
擢用は「てきよう」とも読みます。これは、「たくよう」の慣用的な読み方です。
登用は「登庸」とも書きます。この「庸」には「雇(やと)う」という意味があります。
「抜擢」の英語訳
抜擢を英語に訳すと、次のような表現になります。
- choose
(欲しいものを選ぶ) - select
(ある基準で選び出す) - selection
(ある基準で選び出すこと) - pick out
(選び出す、みいだす)
choose には、選ぶ人の「希望」や「欲しいという思い」というニュアンスが含まれています。
select は基本的には 3つ以上の候補から選ばれることをさすときに使われます。selectは選ぶ人の希望ではなく、「最適解」を選んでいる場合に用いられます。
pick には、もともと慎重さというニュアンスは含まれておらず、深く考えることなく選択する場合に用いられます。out は「見つけだす」や「選び出す」という意味があります。そのため、pick out というように熟語になると、「多くの中から選び出す」というニュアンスが強くなります。
まとめ
以上、この記事では「抜擢」について解説しました。
読み方 | 抜擢(ばってき) |
---|---|
意味 | 多くの人の中から選び出して、ある役職や立場にその人を登用すること |
類義語 | 擢用、登用、挙用 |
英語訳 | choose(欲しいものを選ぶ),select(ある基準で選び出す),selection(ある基準で選び出すこと),pick out(選び出す、みいだす) |
いつ抜擢されてもよいように、実力をつけてそのときを待ちたいですね。