今回ご紹介する言葉は、四字熟語の「眼光紙背」です。
言葉の意味、使い方、類義語、英語訳についてわかりやすく解説します。
☆「眼光紙背」をざっくり言うと……
読み方 | 眼光紙背(がんこうしはい) |
---|---|
意味 | 書物の字句の背後にある深い意味をも読みとること |
類義語 | 紙背の意、眼光炯々、双眸炯々、韋編三絶、熟読玩味、熟読三思 |
英語訳 | read between the lines(行間を読む) having penetrating eyes(眼光炯々たる) reading careful(注意深く読む) |
「眼光紙背」の意味をスッキリ理解!
「眼光紙背」の意味を詳しく
「眼光紙背」とは、「細かい字句の解釈にとらわれるのではなく、書物の字句の背後にある深い意味を読みとる」という意味を表す四字熟語です。
「眼光紙背に徹す」という言葉を略した形になります。
「眼光」は、漢字の通り、「物をじっと見つめる時の眼の輝き」のことを表します。ここから、「物事の真意を見通す力」という意味も生まれました。
「紙背」とは、「紙の裏側」のことを指します。ここから、「文にははっきりとは書かれていない、奥深い意味」のことをさすようになりました。
このように、「眼光紙背」は、「紙の裏側まで見透す」という意味から「深い意味を読み取る」という意味に転じました。
「書物を何度も繰り返し読む」という意味ではありません。
そのため、「眼光紙背に徹するほど、教科書を読み込んだのに、理解ができなかった」などの用法は間違いです。よくある間違いなので、注意しましょう。
「眼光紙背」の使い方
- 試験に合格するには、眼光紙背に徹するつもりで教科書を読み込む必要がある。
- 父は毎朝、眼光紙背に徹する目つきで新聞を読んでいる。
- この雑誌の読者は、眼光紙背に透る者ばかりだろう。
❶や❷のように「眼光紙背に徹する」という使い方をすることが多いです。「徹する」とは、「奥深くに貫いて達する」という意味です。
また、➌のように「眼光紙背に透る」という表現が使われることもあります。
「眼光紙背」の類義語
「眼光紙背」には以下のような類義語があります。
- 紙背の意(しはいのい):言葉の裏に隠された深意のこと。
- 眼光炯々(がんこうけいけい):物事の真実を見抜く能力のこと。
- 双眸炯々(そうぼうけいけい):目が鋭く光る様子。
- 韋編三絶(いへんさんぜつ):何度も繰り返し、熱心に本を読むこと。
- 熟読玩味(じゅくどくがんみ):文章をよく読み、じっくり考えて味わうこと。
- 熟読三思(じゅくどくさんし):文章をよく読み、その内容を考えること。
「眼光炯々」の「炯々」は「鋭く輝くこと」を指します。つまり、「眼光炯々」のもともとの意味は「すべてを見透かしているようで、人を圧倒する目」という意味です。
また、「双眸炯々」の「双眸」は、「左右両方の瞳」という意味です。
「韋編三絶」の「韋編」は、古代中国の書物のことです。当時は、木の札や竹の札に文字を書き、それらを束ねて書物にしていました。「三絶」は「三度断ち切れる」という意味です。
「孔子が、同じ本を何度も何度も繰り返し読んだため、木の札を束ねていた紐が三度も千切れてしまった」というエピソードがもとになっています。
「熟読玩味」の「玩味」は「よく味わって食べる」という意味です。ここでは、「文章の深い意味まで読み取って味わうこと」という意味で使われています。
「熟読三思」の「三思」が「よく考えること・何度も考えること」を表しています。
「眼光紙背」の英語訳
「眼光紙背」を英語に訳すと、次のような表現になります。
- read between the lines
(行間を読む) - having penetrating eyes
(眼光炯々たる) - reading careful
(注意深く読む)
penetratingは「貫通する」「浸透する」という意味の英単語です。 having penetrating eyes は直訳で「貫通する目を持っている」となります。
まとめ
以上、この記事では「眼光紙背」について解説しました。
読み方 | 眼光紙背(がんこうしはい) |
---|---|
意味 | 書物の字句の背後にある深い意味をも読みとること |
類義語 | 紙背の意、眼光炯々、双眸炯々、韋編三絶、熟読玩味、熟読三思 |
英語訳 | read between the lines(行間を読む) having penetrating eyes(眼光炯々たる) reading careful(注意深く読む) |
学業においても、仕事においても、「眼光紙背に徹する」ことは必須です。
類義語や英語訳も含めて、覚えておきましょう。