今回ご紹介する言葉は、カタカナ語の「ホールディングス」です。
「ホールディングス」の意味、使い方、語源、メリット、デメリットについて分かりやすく解説します。
☆「ホールディングス」をざっくり言うと……
英語表記 | ホールディングス(holdings) |
---|---|
意味 | 大元の会社が親会社として、その傘下にある子会社の株を持つ制度 |
語源 | 「グループ会社を “Hold”=保持、保有する」という意味の英語 “holdings” が語源 |
メリット | 意思疎通がしやすい、リスクを分散しやすいなど |
デメリット | 傘下同士の子会社間の連携は取りにくい、管理部などは、人件費が重複してしまうことがあるなど |
このページの目次
「ホールディングス」とは?
「ホールディングス」の意味を詳しく
「ホールディングス」とは、持株会社制のことです。
「持株会社制」を簡単に説明すると、大元の会社が親会社として、その傘下にある子会社の株を持つ制度だということができます。
元々ある部署を子会社化することで、分社化した結果、それらをまとめるための会社が必要になり、「持株会社制」という形態が取られるようになりました。
ホールディングスは、大きく2つのタイプに分けることができます。
純粋持株会社
「純粋持株会社」とは、自らの事業は行わず、子会社の管理のみを行う会社のことです。一般に、何の前置きもなく「ホールディングス」という場合は、純粋持株会社であることが多いです。
自らの事業は行いませんが、子会社からの配当金により利益を得ることができます。その他にも、親会社のサービスを使用料に変えて、子会社から利益を得るビジネスモデルがあります。
事業持株会社
「事業持株会社」とは、自らの事業を行いつつ、純粋持株会社同様、子会社の管理もする会社のことです。
利益は、純粋持株会社と同様、子会社の配当金によって得ることができます。それに加え、自らの事業も手がけているので収入源は純粋持株会社より多いのが特徴です。
「ホールディングス」の使い方
- セブン&アイ・ホールディングスなどのように、ホールディングスという言葉が名前に付く会社は大きいイメージがある。
- ホールディングスという形態だが、子会社だから親会社がいつでも守ってくれると思っていたら大変なことになる。
上の例文のように、会社について話すときに用いられます。
「ホールディングス」の語源
ホールディングスの語源は英語の “holdings” です。
「グループ会社を “Hold”=保持、保有する」という意味から名付けられています。
実は、ホールディングスという制度は、日本では戦前から財閥(ざいばつ)などで使われていました。
しかし、戦後GHQによって解体が命じられます。その後、1997年に成立した独占禁止法により、ホールディングスは復活しました。
ちなみに、現代でのホールディングスとして、一番はじめに導入したのはスーパーの「ダイエー」だったと言われています。
「ホールディングス」のメリット
「ホールディングス」にすることのメリットを以下にご紹介します。
- 意思疎通(いしそつう)がしやすい
- リスクを分散しやすい
- 子会社は、人事評価・給与・福利厚生などの制度を作りやすい
- 情報を隔離できる
- 税務上、特典が増える場合がある
- 親会社から見ると、子会社の他社からの買収を阻止できる
「ホールディングス」のデメリット
「ホールディングス」にすることのデメリットを以下にご紹介します。
- 傘下同士の子会社間の連携は取りにくい
- 管理部などは、人件費が重複してしまうことがある
- 法人税などの維持コストがかかる
まとめ
以上、この記事では「ホールディングス」について解説しました。
英語表記 | ホールディングス(holdings) |
---|---|
意味 | 大元の会社が親会社として、その傘下にある子会社の株を持つ制度 |
語源 | 「グループ会社を “Hold”=保持、保有する」という意味の英語 “holdings” が語源 |
メリット | 意思疎通がしやすい、リスクを分散しやすいなど |
デメリット | 傘下同士の子会社間の連携は取りにくい、管理部などは、人件費が重複してしまうことがあるなど |
企業が大きくなればなるほど、業務を管理する部署が大きくなります。この部署を会社化したのが「ホールディングス」です。しかし、一概に「ホールディングス」の形がよいとは言えません。
しかし、多くの企業で取り入れられている形なので、ぜひ覚えておきたいですね。