今回ご紹介する言葉は、四字熟語の「恐惶謹言(きょうこうきんげん)」です。
言葉の意味・使い方・類義語・英語訳についてわかりやすく解説します。
「恐惶謹言」の意味をスッキリ理解!
「恐惶謹言」の意味を詳しく
「恐惶謹言」は「恐惶」と「謹言」という 2つの語句で構成されています。
「恐惶」は「恐」と「惶」という 2つの漢字から成り立っています。
「恐」と「惶」は、それぞれ「おそれる」と訓読でき、どちらも「かしこまること」を指します。つまり、「恐惶」は「かしこまる」という意味を強調した熟語となっています。
「謹言」は、「謹(つつし)んで言う」と読み下すことができます。「謹んで」とは、「敬意を払いながら物事を行うこと」を意味します。
つまり、「恐惶」と「謹言」という 2つの語句で構成されている「恐惶謹言」は敬意を払いながら、かしこまって申し上げることを意味します。
もともとは、候文(そうろうぶん)の手紙において、結びの語句として使われていました。候文は、書簡によく用いられた文語体の文章の一種です。
「恐惶謹言」は、目上の方に対する手紙の末尾に添え、敬意を表すための語句として、使用されます。
最近は、結びには「敬具」や「敬白」といった語句が使用されることが多いです。「恐惶謹言」は、「敬具」や「敬白」よりも、さらにかしこまった印象を与えたいときに使用されます。
「恐惶謹言」の使い方
- 最近では、手紙の結びに恐惶謹言を使う人は、少なくなっている。
- 一度も顔を合わせたことがない社長に対して、恐惶謹言すべきかどうか迷っている。
- 手紙の結びに恐惶謹言を使う彼は、きっと教養が高い人物だ。
- 勇気を振り絞って、協会の理事長に対し恐惶謹言してみたが、彼の判断は変わらなかった。
「恐惶謹言」の類義語
恐惶謹言には以下のような類義語があります。
- 恐恐謹言(きょうきょうきんげん):おそれながらつつしんで申し上げること。
- 恐懼再拝(きょうくさいはい):おそれながら申し上げること。
- 恐惶敬白(きょうこうけいはく):敬意を払いながら、おそるおそる申し上げること。
すべての類義語が、前半に「おそれる」という意味の漢字を 2つ重ねています。
「再拝」は「2回繰り返して礼拝すること」を意味します。また、手紙の終わりで、相手に敬意を表して用いる語としても用いられます。
「敬白」も、手紙の終わりで用いて、相手に敬意を表す語句です。
「恐惶謹言」の英語訳
恐惶謹言を英語に訳すと、次のような表現になります。
- Yours sincerely,
- Respectfully yours,
- Truly yours,
- Yours truly,
すべて、かなりフォーマルな結び言葉として使われています。上記の語句の下に 1行を空けて自分のフルネームを書くと、最もフォーマルな形になります。
まとめ
以上、この記事では「恐惶謹言」について解説しました。
読み方 | 恐惶謹言(きょうこうきんげん) |
---|---|
意味 | 敬意を払いながら、おそるおそる申し上げること。 |
類義語 | 恐恐謹言、恐懼再拝、恐惶敬白など |
英語訳 | Yours sincerely, Respectfully yours, Truly yours, Yours truly, |
近年では、ほとんどの人がスマートフォンや携帯を所持しているため、いつでもどこでも連絡がとれるようになりました。
このような状況から、手紙を出す機会は減っていく一方で、書き方がよくわからないという人も増えています。
相手に気持ちを伝える手段として、手紙を書く機会を増やし、結びに「恐惶謹言」と書くことができるような知識を身につけましょう。