「パケット」とは?意味と使い方を例文付きでわかりやすく解説

言葉

今回ご紹介する言葉は、カタカナ語の「パケット」(packet)です。

「パケット」の意味・使い方・語源について分かりやすく解説します。

☆「パケット」をざっくり言うと……

英語表記パケット(packet)
意味小包。データ通信の際に分割される単位のことも指す
語源中期フランス語の「包む」

「パケット」とは?

パケット(packet):小包

「パケット」の意味を詳しく

「パケット」とは、「小さく包まれたもの」のことです。英語では、「小包」だけではなく「小さな束」の意味でも使われています。

カタカナ語として使われる「パケット」は、小包とデータ通信の単位の2つの意味が主です。データ通信の「パケット」の意味を説明します。

分けると便利な「パケット交換方式」

インターネットで動画を見るとき、動画は途切れなく再生されます。しかし、データ通信上は、データは無数に分割されてやり取りされています。この分割されたデータのことを「パケット」と言い、パケットに分けてデータを通信することを「パケット交換方式」と言います。

1パケットは128バイト(=8分の1キロバイト)です。画質がそこまで良くない写真1枚のデータ量がおよそ1メガバイト(MB)で、1MBは100万キロバイトあまりです。1MBの写真を送るには、およそ800万パケットが必要になります。

1パケットは非常に細かく、音声や動画をやり取りするとなると、数億ものパケットが通信されることになります。

 

では、なぜパケットに分けてデータ通信が行われているのでしょうか。

パケットに分けることで、1つの回線を分け合って使えるからです。

 

回転ずしをイメージしてみてください。最近の回転ずしは、客が注文したすしを専用レーンに流して届けることができます。客は自分が欲しいすしを受け取り、おなか一杯すしを食べて帰れます。

複数の客が同時にすしを食べていますが、レーンは1つで済んでいます。理由は、どの客も食べたいときだけ食べたい分のすしを注文して受け取っているからです。

いわゆる「まわらないすし屋」では、カウンターで板前がそれぞれの客にすしを握ります。超高級店になると、一組の客に対して一人の板前がつきっきりですしを握ります。客は食べたいときにすぐにすしを食べられる反面、一人の板前がずっとついているため値段が非常に高くなります。

 

回転ずしでは、混んでいるとすしが出てくるのに時間がかかります。しかし、高級なすし屋に比べて多くの客を収容できて、安くすしを提供できます。

ここであげた「回転ずし屋」は「パケット交換方式」のたとえです。

一方、「高級なすし屋」は「回線交換方式」のたとえです。回線交換方式は、途切れることがなく常に通信できる反面、誰かが回線を使っている間は他の人が使えなくなります。電話がその例で、相手が別の人と電話しているときは、話し中でつながらなくなりますよね。

パケット交換方式では、多くの人の通信を同時にできるというメリットがあります。混んでいると読み込みが遅くなってしまいますが、つながらないよりはマシだと言えるでしょう。

 

では、パケットに分けられたデータはどのようにやり取りされているのでしょうか。

郵便局で出す小包と同様、一つ一つのパケットに、送り先が記されています。そして、パケットの一部が届かない場合を見越して、予備も送るという対策も取られます。送り先の情報や予備のデータなども増えるために、結果としてパケット交換方式の方がやりとりされる情報の量は多くなります。

それでも、パケット交換方式の方が便利なので、インターネット通信はパケット交換方式が使われています。

 

いわゆる「ガラケー」の通信は、パケットを単位に表されていました。ガラケー時代の1パケットは、0.2円が相場でした。「写メ」や「着メロ」の情報量は、今では考えられないほど小さいものです。

現在スマホでするように、好きなだけ動画を見たりオンラインゲームをしたりしていては、請求額があっという間に数十万円、数百万円になってしまうでしょう。

スマホなどの通信では料金体系が変わり、快適にインターネットが楽しめるようになりました。しかし、スマホの通信でもパケット交換方式が使われていることには変わりありません

「パケット」の使い方

  1. 情報科の試験で、パケット交換方式の説明が求められた。
  2. 中学生の頃、ケータイのパケット通信料金が数万円にのぼって親に怒られたものだ。
  3. パケットを送るには、郵便局が安くて便利だ。

上の例文のように、「パケット」と言う場合は、小包の意味よりもデータ通信の方式または単位の意味で使われることが多いです。

「パケット」の語源

「パケット」の語源は昔のフランス語の「包む」という意味の動詞だそうです。

現在、フランス語で「小包」は “paquet” と言います。発音は「パケ」です。しかし、現代のフランス語で「包む」を意味する動詞は「パケ」とは似ても似つきません。

まとめ

以上、この記事では「パケット」について解説しました。

英語表記パケット(packet)
意味小包。データ通信の際に分割される単位のことも指す
語源中期フランス語の「包む」

当たり前のように使っているインターネットも、見えないところで便利な通信にするための工夫がされているのですね。