今回ご紹介する言葉は、熟語の「依然(いぜん)」です。
言葉の意味・使い方・類義語・英語訳についてわかりやすく解説します。
☆「依然」をざっくり言うと……
読み方 | 依然(いぜん) |
---|---|
意味 | 元の状態と変わっていないこと |
類義語 | 相変わらず、やはり、尚も |
英語訳 | still(まだ、今まで通り、依然) |
「依然」の意味をスッキリ理解!
「依然」の意味を詳しく
「依然」とは、「元の状態と変わっていないこと」です。
言い換えるならば、「まだ」という意味です。
「依然〇〇である」「依然として〇〇である」のように使われます。「依然」と「依然として」のどちらを用いても、意味が変わることはありません。
また、「元の状態と変わっていないこと」という意味には、2つのパターンがあります。それは、「前からなされている行為や、既にあるものが続いていること」「変わることが望まれながらも、全く変化していないこと」の 2つです。
前者の場合は、「依然として雨が降っている」「依然、この町には伝統文化が根強く残っている」のような言い方をします。
一方、後者の場合は、「依然、問題が解決されない」「依然として仕事が終わらない」などの文章で用いられます。
四字熟語の「旧態依然(きゅうたいいぜん)」
「依然」が含まれた四字熟語として、「旧態依然」という言葉があります。
「旧態依然」とは、「元のままで変化や進歩のないこと」です。
この言葉は、進歩が見られないことを非難する際に使われます。たとえば、「旧態依然な方法をとっていては、いずれ他の企業に追い抜かれてしまうだろう」のような使われ方をします。
「依然」の使い方
- 梅雨の長雨は、依然続いている。
- 依然として、貧富の差の問題が世界中で解決されていない。
- ゲームも終盤に差し掛かっているが、依然相手チームが優勢である。
「依然」の類義語
依然には以下のような類義語があります。
- 相変わらず:今までと変わっていないこと
- やはり:今までと比べて、変化がないこと
- 尚も(なおも):その上まだ/何かが続いていること
「相変わらず」は、予想に反して、現在が過去の様子と変わっていない状態を指します。「相変わらず〜だ(である)」という言い回しはよく使われます。
一方、「やはり」は、予想していた通りに現在が過去の様子と変わっていない状態を表します。「やはり」は「やっぱり」とも言いますが、こちらはくだけた表現です。
「尚も」は、前の状態が今も続いていることを表します。たとえば、「尚も説教が続いている」のように用いることができます。
「依然」の英語訳
依然を英語に訳すと、次のような表現になります。
- still
(まだ、今まで通り、依然) - as yet
(今のところ、まだ、依然) - as used to be
(依然として)
as yet は、完了形の時制で否定文を作る際に用いられます。たとえば、「その会議は依然終わっていない」を英語に訳す場合、 “The meeting has not finished as yet” となります。
as used to be の used to be は、「以前は〜だっだ」という意味の慣用句です。as がつくことによって「以前のように」という意味になり、「依然として」と訳すことができます。
また、上記の例に挙げたもの以外にも、「依然として変わらない」という表現を、as unchanged と訳すことができます。
まとめ
以上、この記事では「依然」について解説しました。
読み方 | 依然(いぜん) |
---|---|
意味 | 元の状態と変わっていないこと |
類義語 | 相変わらず、やはり、尚も |
英語訳 | still(まだ、今まで通り、依然) |
前にわからなかったことの中に、現在も「依然」わからないままにしていることはありませんか。
「依然」の意味や使い方は今回できちんと押さえ、正しく使えるようにしましょう。