今回ご紹介する言葉は、四字熟語の「一子相伝(いっしそうでん)」です。
言葉の意味・使い方・類義語・英語訳についてわかりやすく解説します。
☆「一子相伝」をざっくり言うと……
読み方 | 一子相伝(いっしそうでん) |
---|---|
意味 | ある物事の極意を、自分の子供のなかの1人だけに伝えること |
類義語 | 父子相伝、奥義秘伝、一家相伝 |
英語訳 | be chosen by one’s parent as the only child to be taught the secrets of〜(自分の親から、〜の秘密を教えてもらう唯一の子供に選ばれる)など |
「一子相伝」の意味をスッキリ理解!
「一子相伝」の意味を詳しく
「一子相伝」は、「一子」と「相伝」の2つの言葉から成り立っています。
まず、「一子」は「1人の子供」を表します。また、「相伝」は「次の世代に引き継ぐ」という意味です。ですから、「一子相伝」は「1人の子供に対して、あることを引き継ぐ」ということを表します。
それでは、具体的には、何を引き継ぐときに使う四字熟語なのでしょうか。それは、「ある物事を行う際に、重要なこと」です。
したがって、「一子相伝」の意味は「ある物事の極意を、自分の子供のなかの1人だけに伝えること」なのです。
言い換えると、「子供以外の人物には、物事の極意を秘密にする」ということです。また、「複数の子供がいる場合でも、そのなかの1人だけに伝える」という点も、大きな特徴です。
なお、「一子相伝」を使うとき、極意を伝える流れは、「親から子供」だけでなく「師匠から弟子」である場合もあります。
「一子相伝」の使い方
- あの歌舞伎役者は、一子相伝の発声で観客を魅了した。
- 彼女は、芸術家の母から受け継いだテクニックで、優れた油絵を描く。まさに一子相伝だ。
- このカレーは、一子相伝のレシピから作られている。
「一子相伝」の類義語
「一子相伝」には以下のような類義語があります。
- 一家相伝(いっかそうでん):物事の極意を、自分の子供のなかの1人だけに伝えること
- 父子相伝(ふしそうでん):父が、自分の子供だけに物事の極意を伝えること。
- 奥義秘伝(おうぎひでん):物事の極意を、限られた複数人だけに受け継ぐこと。
「一家相伝」は、「一子相伝」と同じ意味をもちます。
「父子相伝」「奥義秘伝」も、「重要なことを、特定の人にのみ受け継ぐ」という点では「一子相伝」と共通しています。ただし、それぞれ少し意味合いが異なります。
まず、「一子相伝」と「父子相伝」を比べてみましょう。「一子相伝」では、極意が伝わる流れが「親から子供」または「師匠から弟子」となっています。しかし、「父子相伝」は、「親から子供」に極意が引き継がれるときにのみ使われます。
また、極意を伝える側の人物は、「親」のなかでも「父」ではなくてはなりません。
次に、「一子相伝」と「奥義秘伝」を比較します。「一子相伝」を使うのは、ただ1人の相手に極意を伝える場合です。しかし、「奥義秘伝」では、極意を伝える対象は複数人なのです。
「一子相伝」の英語訳
「一子相伝」を英語に訳すと、次のような表現になります。
- be chosen by one’s parent as the only child to be taught the secrets of〜
(自分の親から、〜の秘密を教えてもらう唯一の子供に選ばれる) - secrets being handed down from parent to child
(親から子供へ引き継がれた秘密)
上記の英語訳のなかで、親の性別を明らかにしたいときは、parent を father (父)や mother (母) に変えましょう。
また、子供の性別を明らかに書きたい場合は、child の部分を son (息子) や daughter (娘) に置き換えることができます。
まとめ
以上、この記事では「一子相伝」について解説しました。
読み方 | 一子相伝(いっしそうでん) |
---|---|
意味 | ある物事の極意を、自分の子供のなかの1人だけに伝えること |
類義語 | 父子相伝、奥義秘伝、一家相伝 |
英語訳 | be chosen by one’s parent as the only child to be taught the secrets of〜(自分の親から、〜の秘密を教えてもらう唯一の子供に選ばれる)など |
あなたは、「一家相伝」のものを受け継いだことはありますか。この機会に、親子や師弟の関係について考えてみましょう。