今回ご紹介する言葉は、ことわざの「生みの親より育ての親」です。
言葉の意味、使い方、類義語、英語訳についてわかりやすく解説します。
☆「生みの親より育ての親」をざっくり言うと……
意味 | 自分を産んでくれた親よりも、育ててくれた親に対して愛情や恩を深く感じるということ |
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類義語 | 産みの恩より育ての恩、産んだ子より抱いた子など |
英語訳 | A child is what his parents make.(子供は親の育て方で決まる。) |
このページの目次
「生みの親より育ての親」の意味をスッキリ理解!
「生みの親より育ての親」の意味を詳しく
「生みの親より育ての親」は、自分を産んでくれた親よりも、育ててくれた親に対して愛情や恩を深く感じるという意味のことわざです。「産みの親より育ての親」と書く場合もあります。
通常、子供は自分を産み、育ててくれた親に対し、特別な愛情や愛着、結びつきを感じます。そして、時には感謝もするでしょう。
しかし、事情により、産みの親と育ての親が異なる場合もあります。このとき、子供がどちらの親に愛情や恩義を感じるのか、ということを表すのがこのことわざです。
ポイントは、親に対して愛情などを抱くのは子供が成長していく過程であり、成長していく過程で子供が知覚するのは育ての親であるということです。たとえ産みの親が別にいることが分かっていたとしても、子供にとってより身近で、ありがたみを感じやすいのは、育ててくれた親となります。
このことを表すのが、「生みの親より育ての親」ということわざです。
「育ての親」の文化
「育児」は、必ずしも実の母親だけが関わるものではありません。特に、江戸時代以前は、現代以上に「育児」が分業されていました。
乳母(うば)は、実の母親に変わって多くのことを行う役割でした。身分の高い女性は、子育てのような雑事(ざつじ)を自分でできないと考えていました。また、他のしっかりとした女性に子育てを任せた方が教育上良いとされていました。
そのため、乳母は、乳離れした後でも母親に変わって子育てをしていました。特に平安時代から戦国時代にかけての上層階級では、このような考え方が浸透していました。
「生みの親より育ての親」の使い方
- 生みの親より育ての親というように、育ててくれた親に対する感謝の気持ちが非常に強い。
- たとえ血縁関係がなく、生物学的には赤の他人だったとしても、二人は私を育ててくれた。生みの親より育ての親という言葉があるように、私にとっての、親はこの二人だ。
「生みの親より育ての親」の類義語
「生みの親より育ての親」には以下のような類義語があります。
- 産みの恩より育ての恩:産んでくれた実の親より、養育してくれた親の方に深い情を感じるということ
- 産んだ子より抱いた子:他人の子供であっても、幼い時から育てた子供は可愛いという意味
「生みの親より育ての親」の英語訳
「生みの親より育ての親」を英語に訳すと、次のような表現になります。
- A child is what his parents make.
(子供は親の育て方で決まる。) - A foster parent is dearer than a real parent.
(生みの親より育ての親。)
まとめ
以上、この記事では「生みの親より育ての親」について解説しました。
意味 | 自分を産んでくれた親よりも、育ててくれた親に対して愛情や恩を深く感じるということ |
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類義語 | 産みの恩より育ての恩、産んだ子より抱いた子など |
英語訳 | A child is what his parents make.(子供は親の育て方で決まる。) |
昔は、「実際の母親」と「乳母」の関係のように、生んでくれた親と育ててくれた親が違うことが多かったのは事実です。しかし、現代での「幼稚園」や「学校教育」には、育児の分業という点で、似たものがあるのかもしれません。