今回ご紹介する言葉は、カタカナ語の「イズム」です。
「イズム」の言葉の意味・使い方・語源・類義語についてわかりやすく解説します。
☆「イズム」をざっくり言うと……
英語表記 | イズム(ism) |
---|---|
意味 | 主義、主張。また、流儀のこと |
語源 | 英語で「主義」を意味する “ism” から |
類義語 | ドクトリン、哲学 |
「イズム」とは?
「イズム」の意味を詳しく
「イズム」には、2つの意味があります。
1つ目に「主義」「主張」という意味です。また、学説や考え方などの特徴となる言葉の後に「イズム」と付けることで、「~主義」という意味を表すこともできます。
代表的な例としては、国家や国民を意味する「ナショナル」に「イズム」を付けた「ナショナリズム」や、人間を意味する「ヒューマン」に「イズム」を付けた「ヒューマニズム」などがあります。
2つ目に「流儀」という意味です。固有名詞の後に付けることで、「ある人や団体が独自に持つ考え方や、物のやり方」を表します。簡単に作ることができるので、造語として生み出されたものが多くあります。
例えば、元プロレスラーであるアントニオ猪木(いのき)氏の戦い方や生き方を表した「猪木イズム」という言葉があります。また、機械メーカーである本田技研工業株式会社は、「ホンダイズム」という企業理念を掲げています。
「イズム」の使い方
- 彼とはイズムを異にする。
- その作品では、人間のエゴイズムが描かれている。
- 目玉焼きには、ケチャップをかけるのが俺イズムだ。
上記の例文のように、「イズム」は主に「○○イズム」のように言葉の語尾に付けて用いられることが多いです。
①例文のように「イズム」を単独で用いる場合は、「主義」や「考え方」という意味になります。
②の例文では、自我を意味する「エゴ」に「イズム」を付けて「エゴイズム」としています。これは、「エゴイズム」とは「他人のことを考えず、自分の利益だけを求める考え方」のことです。
③の例文の「俺イズム」は、私を意味する「俺」に「イズム」を付けることで、「自分流のやり方」という意味を表しています。
「イズム」の語源
イズムの語源は英語の “ism” です。さらに元をたどると、ラテン語で「主義」を意味する “isma” が語源となっています。
英文法において、“ism” は「接尾辞」と呼ばれ、「単語の後に付けて派生語を形成する役割」を持っています。
例えば、英語で「資本」を意味する “capital” の語尾に “ism” を付けることで、「資本主義」を意味する “capitalism” となります。
「イズム」の類義語
イズムには以下のような類義語があります。
- ドクトリン:教義、主義
- 哲学:各人の経験に基づく人生観や世界観
「ドクトリン」は、「イズム」の「主義」という意味の類義語であるといえます。また、同じように言葉の語尾に付けることができますが、「ドクトリン」は主に政府の政策や戦略を表すのに用いられます。代表的な例として、戦後日本の国家戦略であった「吉田ドクトリン」があります。
「哲学」には、「世界の根本原理を追及する学問」という意味の他に、「イズム」の持つ「流儀」と似た意味もあります。例えば、「彼の仕事に対する哲学」といった場合の「哲学」は、「流儀」という意味です。
まとめ
以上、この記事では「イズム」について解説しました。
英語表記 | イズム(ism) |
---|---|
意味 | 主義、主張。また、流儀のこと |
語源 | 英語で「主義」を意味する “ism” から |
類義語 | ドクトリン、哲学 |
「イズム」を単独で使うことはあまりないですが、他の言葉と組み合わせることで、とても便利に使える言葉です。
「~イズム」という言葉を見たり聞いたりする時のために、しっかりと意味と使い方を理解しておきましょう。