今回ご紹介する言葉は、ことわざの「いざ鎌倉」です。
言葉の意味・使い方・由来・英語訳についてわかりやすく解説します。
☆「いざ鎌倉」をざっくり言うと……
意味 | さあ大変だ、一大事が起こった、という意味 |
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由来 | 鎌倉に緊急事態が起きたら、一番最初に駆けつけると言ったこと |
英語訳 | Event of an emergency(緊急事態) |
「いざ鎌倉」の意味をスッキリ理解!
「いざ鎌倉」の意味を詳しく
「いざ鎌倉」とは、さあ大変だ、一大事が起こったという意味のことわざです。また、「一大事が起こったから、今すぐ駆けつけなければ」という意味もあります。急を要するような大事件が起きた場面で使います。
昔に比べると「いざ鎌倉」を使う人は少なくなってきました。鎌倉へ旅行へ行くという意味や、大変なことが起きたので逃げたという意味で「いざ鎌倉」使用するのは間違いです。
たとえば、「いざ鎌倉という気持ちで、鎌倉に旅行することにした」や「ケンカが始まったので、いざ鎌倉という気持ちで逃げた」は適切な使い方ではないといえます。
「いざ鎌倉」の使い方
- いざ鎌倉というときのために、日ごろから準備をしておくことは大切だ。
この例文では、「一大事が起こったから、今すぐ駆けつけなければ」という意味で「いざ鎌倉」を使用しています。
「いざ鎌倉」の由来
「いざ鎌倉」は、北条時頼(ほうじょうときより)の伝説が由来になっています。
この話は、謡曲(ようきょく)(※1)『鉢木(はちのき)』に出てきます。北条時頼は鎌倉幕府での執権職(※2)を辞め、僧となって諸国を視察していたという伝説があります。
ある日、時頼が旅をしていたところ、大雪が降りました。そのため、佐野源左衛門常世(さのげんざえもんつねよ)という貧しい武士の家に泊めてもらうことにしました。
常世は梅や松、桜の木を囲炉裏(いろり)で焚いて、出来る限り時頼をもてなしました。そのとき、常世は以下のように言いました。
「一族に領土を取られてしまって、今はこのような貧しい生活です。しかし、甲冑(かっちゅう)や長刀(なぎなた)、馬は準備しています。そして、いざという時には一番に鎌倉へ行き、敵と戦う覚悟です。」
その後、常世は鎌倉幕府から召集の連絡を受けました。そして、彼はすぐに痩せた馬に乗って、鎌倉に駆けつけました。そこで、常世は自分が泊めた僧侶が、実は時頼だったことに気づきます。
時頼は、常世の言ったことは本当だったと感心します。そして、時頼は常世の領地を取り戻しました。さらに、大切な木を焚いて、もてなしてもらったお礼に、新たに3カ所の領地を常世に与えました。
この話のように、鎌倉幕府で何か大変な事件が起きたときは、武士は鎌倉に行きます。この話から、「いざ鎌倉」ということわざが使われるようになりました。
- 謡曲(※1):能の脚本のこと
- 執権職(※2):鎌倉幕府の役職名で、将軍の補佐をする人
「いざ鎌倉」の英語訳
「いざ鎌倉」を英語に訳すと、次のような表現になります。
- Event of an emergency
(緊急事態) - Case that something major happens
(一大事が起きた) - When it comes to crunch.
(危機的状況になる。)
まとめ
以上、この記事では「いざ鎌倉」について解説しました。
意味 | さあ大変だ、一大事が起こった、という意味 |
---|---|
由来 | 鎌倉に緊急事態が起きたら、一番最初に駆けつけると言ったこと |
英語訳 | Event of an emergency(緊急事態) |
常世のように日ごろから備えをして、すぐに行動できるようにしておくことは大切ですね。