今回ご紹介する言葉は、ことわざの「頭(あたま)隠(かく)して尻(しり)隠さず」です。
言葉の意味、使い方、由来、類義語、英語訳についてわかりやすく解説します。
☆「頭隠して尻隠さず」をざっくり言うと……
読み方 | 頭(あたま)隠(かく)して尻(しり)隠さず |
---|---|
意味 | 悪事や欠点などの一部分を隠して、全部を隠したつもりになっていること |
由来 | 追いかけられた雉が、草むらの中に頭を突っ込んで隠れたつもりでいたが、実際は尾が丸見えになっていたことから |
類義語 | 頭を隠して尾をあらわす、頭隠して尻を出す、柿を盗んで核を隠さずなど |
英語訳 | The foolish ostrich buries his head in the sand and thinks he is not seen.(愚かなダチョウは頭を砂の中に埋めて、他からは見えないと思っている。) |
このページの目次
「頭隠して尻隠さず」の意味をスッキリ理解!
頭(あたま)隠(かく)して尻(しり)隠さず:悪事や欠点などの一部分を隠して、全部を隠したつもりになっていること
「頭隠して尻隠さず」の意味を詳しく
「頭隠して尻隠さず」は、悪事や欠点などの一部分を隠して、全部を隠したつもりになっているという意味のことわざです。「頭」は隠れている部分の悪事、「尻」は明らかになっている部分の悪事を表しています。
「頭隠して尻隠さず」は、悪事の一部が最初から隠れていない場合に使用します。隠していた悪事がばれる、という意味ではないので注意しましょう。
ちなみに、頭は「かしら」と読む場合もあります。
「頭隠して尻隠さず」の使い方
- 内緒でケーキを食べたことがバレた。使ったフォークを洗ったが食器棚に入れるのを忘れたから頭隠して尻隠さずになってしまった。
- 家に帰ると、泥棒がいた。泥棒は、自分が盗もうとしていた金銭はとっさに隠したが、自分自身は隠れていなかった。まさに頭隠して尻隠さずといった状態だ。
「頭隠して尻隠さず」の由来
「頭隠して尻隠さず」の由来は、日本の野山に住む「雉(きじ)」という鳥の行動です。
ある時、追いかけられていた雉は、草むらの中に頭を突っ込み、隠れたつもりになっていました。しかし、実際は尾(お)が丸見えになっていたことから、まったく隠れられていませんでした。このことから、「頭隠して尻隠さず」ということわざが生まれました。
「頭隠して尻隠さず」の類義語
「頭隠して尻隠さず」には以下のような類義語があります。
- 頭を隠して尾をあらわす:全てを隠したつもりが、一部が見えてしまっていて愚かだということ
- 頭隠して尻を出す:自分の悪いことの一部分を隠して、全部隠したつもりになっているということ
- 柿(かき)を盗(むす)んで核(かく)を隠さず:悪事をはたらいた証拠を隠しきれていないこと
- 団子隠(だんごかく)そうより跡隠(あとかく)せ:秘密は予想外のところから露呈するので念には念を入れて注意すべきだということ
- 身(み)を蔵(かく)して影(かげ)を露(あらわ)す:一部の欠点は隠すことができるが、全てを隠すことはできないということ
「頭隠して尻隠さず」の英語訳
「頭隠して尻隠さず」を英語に訳すと、次のような表現になります。
- The foolish ostrich buries his head in the sand and thinks he is not seen.
(愚かなダチョウは頭を砂の中に埋めて、他からは見えないと思っている。) - That’s behaving like an ostrich.
(頭隠して尻隠さず。)
まとめ
以上、この記事では「頭隠して尻隠さず」について解説しました。
読み方 | 頭(あたま)隠(かく)して尻(しり)隠さず |
---|---|
意味 | 悪事や欠点などの一部分を隠して、全部を隠したつもりになっていること |
由来 | 追いかけられた雉が、草むらの中に頭を突っ込んで隠れたつもりでいたが、実際は尾が丸見えになっていたことから |
類義語 | 頭を隠して尾をあらわす、頭隠して尻を出す、柿を盗んで核を隠さずなど |
英語訳 | The foolish ostrich buries his head in the sand and thinks he is not seen.(愚かなダチョウは頭を砂の中に埋めて、他からは見えないと思っている。) |
この表現をそのまま受け取ると、「まさかそんなことあるわけがない」と思う人がいるかもしれません。しかし、実生活では思いの外、「頭隠して尻隠さず」な状況は多いかもしれません。