「悪銭身に付かず」の意味とは?読み方は?使い方から英語や類語まで

言葉

今回ご紹介する言葉は、ことわざの「悪銭(あくせん)身に付かず」です。

言葉の意味・例文・類義語・対義語・英語訳についてわかりやすく解説します。

☆「悪銭身に付かず」をざっくり言うと……

読み方悪銭(あくせん)身に付かず
意味不正に手に入れたお金はすぐになくなってしまうということ
類義語あぶく銭は身に付かぬなど
対義語正直の儲けは身に付く
英語訳Soon gotten soon spent.(早く儲けた金は早くなくなる。)

「悪銭身に付かず」の意味をスッキリ理解!

悪銭(あくせん)身に付かず:不正に手に入れたお金はすぐになくなってしまうということ

「悪銭身に付かず」の意味を詳しく


「悪銭身につかず」は、不当な手段で得たお金は、つまらないことに使ってしまい残らないという意味です。

「悪銭」とは、盗みなどの不正な手段によって手に入れたお金のことをいいます。また、その他にも努力せずに得たお金・急に大量に得たお金も「悪銭」という場合があります。

そのため、公営とされている競馬や宝くじで得たお金なども「悪銭」と呼ばれることがあります。

 

不正な手段や楽な方法でお金を手にすると、お金本来の価値が分からなくなってしまいます。すると、お金をつまらないことに費やすため、大金であってもすぐになくなってしまいます。「悪銭身につかず」は、このことを表しています。

つまり、お金は不正をせずに、自ら汗水垂らして働いて得るものであるという教訓でもあるのです。

「悪銭身に付かず」の例文

  1. 彼はギャンブルで大儲けしたようだが、悪銭身に付かずとはよく言ったものだ。一晩で使い切ってしまったのだから。
  2. 大金を横領して問題となったあの会社は、悪銭身に付かずというようにほとんどお金を使ってしまっていたようだ。
  3. 楽して手に入れたお金など悪銭身につかずですぐに使ってしまうものだ。やはり地道にコツコツと働くことが大切だろう。

「悪銭身に付かず」の類義語

「悪銭身に付かず」には以下のような類義語があります。

  • あぶく銭(ぜに)は身に付かぬ
  • 人垢(ひとあか)は身に付かぬ

「悪銭身に付かず」と似たような意味を持つ言葉としては「あぶく銭(ぜに)は身に付かぬ」や「人垢(ひとあか)は身に付かぬ」などがあります。

「あぶく銭」とは仕事で稼ぐのとは別の方法で得たお金、あるいは苦労せずに手に入れたお金のことです。

「悪銭」のように「不正に」手に入れたお金とは意味が異なります。しかし、すぐになくなってしまうという点では意味は同じです。

「悪銭身に付かず」の対義語

「悪銭身に付かず」には以下のような対義語があります。

  • 正直の儲けは身に付く

「悪銭身に付かず」の英語訳

「悪銭身に付かず」を英語に訳すと、次のような表現になります。

  • Soon gotten, soon spent.
    (早く儲けた金は早く無くなる。)
  • Ill got, ill spent.
    (不当な手段で得たものは不当に使われる。)

「悪銭身につかず」の英語訳に近い表現に Easy come, easy go. という表現があります。

これは、「簡単に手に入るものは、簡単に失う」という意味です。「悪銭身につかず」と同じ意味だと思われがちですが、厳密には異なります。

 

「悪銭身につかず」は不正をして手に入ったお金はすぐに浪費してしまい貯金できない、という意味です。

一方、Easy come, easy go. には「不正」というニュアンスはありません。あくまでも「楽をして簡単に」手に入れたお金という意味合いです。

 

また、Easy come, easy go. は、お金以外のものにも使うことができます。さらに、「悪銭身につかず」のような戒めのニュアンスも含んでいません。

多くの場合、「簡単に手に入ったものなのだから失っても仕方がない」と自分自身で開き直ったり、誰かを励ますときに使われます。

 

なお、「悪銭身につかず」の英語訳に Ill got, ill spent.(不当な手段で得たものは不当に使われる)があります。

しかし、英語圏ではあまり使われていません。Easy come, easy go. の方が圧倒的に使用頻度が高いです。

まとめ

以上、この記事では「悪銭身に付かず」について解説しました。

読み方悪銭(あくせん)身に付かず
意味不正に手に入れたお金はすぐになくなってしまうということ
類義語あぶく銭は身に付かぬなど
対義語正直の儲けは身に付く
英語訳Soon gotten soon spent.(早く儲けた金は早くなくなる。)

お金のありがたみというのは、実際に自分が働いて稼いでみなければわかりづらいものでしょう。

楽をして手にしたお金ではなく、自分自身で一生懸命稼いだお金だからこそ大切に使おうと思うのではないでしょうか。