「閑雲野鶴」の意味とは?読み方は?使い方から英語や類義語まで解説

言葉

今回ご紹介する言葉は、四字熟語の「閑雲野鶴(かんうんやかく)」です。

言葉の意味・使い方・由来・類義語・英語訳についてわかりやすく解説します。

☆「閑雲野鶴」をざっくり言うと……

読み方閑雲野鶴(かんうんやかく)
意味何にも束縛されず、自由にのんびりと暮らす境遇のたとえ
由来僧貫休『全唐詩話』
類義語閑雲孤鶴、孤雲野鶴など
英語訳life in natural setting(自然の環境の中での暮らし)など

「閑雲野鶴」の意味をスッキリ理解!

閑雲野鶴(かんうんやかく):何にも束縛されず、自由にのんびりと暮らす境遇のたとえ

「閑雲野鶴の意味を詳しく


「閑雲野鶴」は、「閑雲」と「野鶴」の二つの熟語が組み合わさってできた四字熟語です。熟語の順番を反対にして、「野鶴閑雲」と表記することもあります。

「閑雲」とは、ゆったりと空に浮かんでいる雲のことです。「野鶴」とは、気ままに野原を自由に飛んでいる鶴を表しています。これらはどちらも、何にも縛れない自由な生活のたとえです。

これらの意味が合わさってできた「閑雲野鶴」は、何にも束縛されず、自由にのんびりと暮らす境遇のたとえを表す四字熟語です。

なお、「閑雲」は「間雲」とも表記することができます。

「閑雲野鶴」の使い方

  1. 定年退職した父は、田舎で閑雲野鶴な生活を送っている。
  2. 彼は、多忙で休みが取れないので、「のんびりと閑雲野鶴に暮らしたい」と常々思っている。
  3. 家族で温泉旅行に出かけ、閑雲野鶴の時間を過ごす。

「閑雲野鶴」の由来

「閑雲野鶴」の由来は、1703年に成立した『全唐詩話(ぜんとうしわ)』という書物にあります。

かつての中国の王朝である「唐」の時代に書かれた詩が全て収録されています。そのため、作者の数は2900人以上で、作品数は50000首近くあるのです。

作者のひとりに僧貫休(そうかんきゅう)という僧侶がいます。彼は、詩や絵画を製作していました。彼が書いた詩が、「閑雲野鶴」の語源なのです。

「閑雲野鶴」の類義語

閑雲野鶴には以下のような類義語があります。

  • 閑雲孤鶴(かんうんこかく):俗世を離れ、のんびりと自由に暮らすこと
  • 孤雲野鶴(こうんやかく):世間から離れた隠者(いんじゃ)のたとえ
  • 一竿風月(いっかんふうげつ):自然の中でのんびりと自由な生活を送ること
  • 悠悠自適(ゆうゆうじてき):思いのままに、のんびりと生活すること

「閑雲孤鶴」の「孤鶴」は、野鶴と同様に「気ままに野原を自由に飛んでいる鶴」を表しています。

「孤雲野鶴」は、隠者(いんじゃ)のたとえである「孤雲」と「野鶴」を組み合わせた四字熟語です。隠者とは、一般社会との関わりを避けて、ひっそりと暮らす人を指します。

「一竿」とは、釣竿のことです。また、「風月」は自然を親しみ、風流を楽しむことを意味しています。「一本の釣り竿を持って、風流を楽しむ」という意味から転じて、「一竿風月」という四字熟語が生まれました。

「悠悠自適」の「悠悠」は、ゆったりと落ち着いている様子を表しています。「優遊」や「優游」と表記することもあります。また、「自適」とは、自分の思うように過ごすことです。

「閑雲野鶴」の英語訳

閑雲野鶴を英語に訳すと、次のような表現になります。

  • life in natural setting
    (自然の環境の中での暮らし)
  • free from worldly cares
    (俗世の面倒なことからの解放)

まとめ

以上、この記事では「閑雲野鶴」について解説しました。

読み方閑雲野鶴(かんうんやかく)
意味何にも束縛されず、自由にのんびりと暮らす境遇のたとえ
由来僧貫休『全唐詩話』
類義語閑雲孤鶴、孤雲野鶴など
英語訳life in natural setting(自然の環境の中での暮らし)など

現代人の生活では、やるべきことがたくさんあります。いつも締め切りや期限に追われ、休む暇がない人も多いのではないでしょうか。

しかし、忙しいなかでも、時に息抜きをすることも必要です。「閑雲野鶴」の時間を持つことも、意識してみましょう。

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香菜
「読者を不快にさせない記事」をモットーに執筆・編集しています。有名美容ライターの元でアシスタントを経験し、その後出版社に就職。現在は著名人への取材やエンタメ記事の執筆も行っています。