今回ご紹介する言葉は、カタカナ語の「ジョブホッパー(job hopper)」です。
「ジョブホッパー」の意味や使い方、語源、類義語、「キャリアビルディング」との違い、「ジョブホッパー」の評価についてわかりやすく解説します。
☆「ジョブホッパー」をざっくり言うと……
英語表記 | ジョブホッパー(job hopper) |
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意味 | 技能や賃金の向上を求めて転職を繰り返す労働者 |
語源 | 英語の “job hopping” から |
類義語 | 転職組、転職経験者、Uターン転職、キャリアビルディング |
「キャリアビルディング」との違い | 計画的で、キャリアの形成を目的とした転職かどうか |
「ジョブホッパー」の評価 | 計画的で意味のある転職は高く評価されることもある。 |
このページの目次
「ジョブホッパー」とは?
「ジョブホッパー」の意味を詳しく
「ジョブホッパー」とは、技能や賃金の向上を求めて転職を繰り返す労働者のことです。
重要なポイントは「転職を繰り返す」という部分です。1,2回転職をしただけの人のことは「ジョブホッパー」とは言いません。定期的なスパンで転職をしたり、転職の回数が非常に多い人のことを指します。
もともと、「ジョブホッピングをする人」という意味で「ジョブホッパー」という言葉が生まれました。
「ジョブホッピング」は「技能や賃金の向上を求めて転職を繰り返すこと」です。「転職」という意味の “job change” という英単語と間違えられやすいので注意しましょう。
単なる「転職」は“job change” で、「転職を次々と繰り返すこと」が “job hopping” です。
日本では「転職」はどうしても否定的なイメージがついてしまいます。ましてや、「転職を繰り返す」ことなど全くいいこととは思えないかもしれません。
これは、日本の雇用制度に関係があります。日本では、「終身雇用制」と「年功序列型賃金制」という雇用制度がとられています。
これらはそれぞれ、「労働者を定年退職まで雇うことを前提として雇用するシステム」と「勤続年数、年齢などに応じて役職や賃金を上昇させる人事システム」のことです。
これらの制度があるため、「一つの会社に長く務めることがいいことである」という印象が強くついてしまいました。
しかし、世界的に見てみると、技能や賃金の向上を求めて転職を行うことは、労働者側の権利として認められていることが圧倒的に多いです。
そのため、「ジョブホッパー」という言葉もマイナスのイメージの言葉ではありません。
「ジョブホッッパー」の使い方
- 日本では、ジョブホッパーは否定的な目で見られることもある。
- 今の職に満足できないならジョブホッパーになるべきだ。
- 海外では、ジョブホッパーは非常に一般的だ。
「ジョブホッパー」の語源
「ジョブホッパー」の語源は英語の “job hopper” です。
“job” は「仕事」という意味です。
“hopper” は “hop” という動詞に、「物や人を表す」意味の接尾語 “er” がついたものです。 “hopper” の意味は「ぴょんぴょん跳ねるもの、人」「歩き回る人」などです。
ころころと職を変えていく様子を、跳ねたり、動き回ったりする言葉で表現したのです。
「ジョブホッパー」の類義語
「ジョブホッパー」には以下のような類義語があります。
- 転職組
- 転職経験者
- Uターン転職:地方から上京して就職した後に地方で再就職すること
- キャリアビルディング:様々な職を経験し、キャリアを積んでいくこと
➋と➌は、「ジョブホッピング」の類義語です。
「キャリアビルディング」との違い
「ジョブホッピング」の類義語に「キャリアビルディング」というカタカナ語があります。
「キャリアビルディング」を行う人のことは「キャリアビルダー」と呼びます。
「キャリアビルディング」とは、言葉の通り、「キャリア(経歴)を積み重ねること」を目的にした転職のことです。計画的な転職で、収入や役職が上がったり、技術を獲得できるというメリットがあることが基本です。
キャリアビルダーは転職する前に、次のステップにつながる結果を前職で積み上げてから行動することが多いです。例えば、職務の実務経験で優秀な成績を残す、キャリアアップするための資格を取得する、役職が昇格するなどです。
一方で「ジョブホッピング」とは、「転職を繰り返すこと」であり、「実際に給料や条件が改善されているか」は関係ありません。
つまり、「キャリアビルディング」を伴う「ジョブホッピング」もありますし、「キャリアビルディング」を伴わない「ジョブホッピング」もあるということです。
最初に「海外では転職に日本ほどのマイナスイメージはない」と言いましたが、「キャリアビルディングが全く行われていないジョブホッパー」は海外でも評価が低いです。
転職歴に一貫性がない場合は、計画性が無く「キャリアビルディング」が行われていないという評価を受けることが多いです。
「ジョブホッパー」の評価
「ジョブホッパー」の評価は二手に分かれます。
新卒で採用した社員を育成することには時間とお金がかかります。そのため、入社して数年の社員が転職をしてしまうことは会社にとって大きな損失です。
逆に、他会社からみると、「ほかの会社がお金をかけて育ててくれた社員を中途採用することはお得だ」という考えもあるのです。そのため、中途採用に非常に力を入れている企業もあります。
一方で、転職を簡単にする人は、「会社に対するロイヤルティがない」「自分の会社もすぐに辞めてしまうのではないか」というイメージを持たれやすいです。そのため、転職が難しいことも事実です。
つまり、「正当な理由がある転職」や「明確な目的がある転職」「キャリアビルディングを伴う転職」はいい評価を受けることがあります。それに対して、「きちんとした理由がない転職」や「一貫性のない転職」は低い評価を受けることが多いです。
まとめ
以上、この記事では「ジョブホッパー」について解説しました。
英語表記 | ジョブホッパー(job hopper) |
---|---|
意味 | 技能や賃金の向上を求めて転職を繰り返す労働者 |
語源 | 英語の “job hopping” から |
類義語 | 転職組、転職経験者、Uターン転職、キャリアビルディング |
「キャリアビルディング」との違い | 計画的で、キャリアの形成を目的とした転職かどうか |
「ジョブホッパー」の評価 | 計画的で意味のある転職は高く評価されることもある。 |
「ジョブホッパー」という言葉は日常生活の中でも使う機会があると思います。
マイナスイメージを持たれがちな言葉ですが、海外では違うイメージもあることがわかりました。
この機会に使いこなせるようになりましょう。