今回ご紹介する言葉は熟語の「偏見(へんけん)」です。
言葉の意味・使い方・類義語・英語訳についてわかりやすく解説します。
☆「偏見」をざっくり言うと……
読み方 | 偏見(へんけん) |
---|---|
意味 | 根拠なしに抱かれるかたよった見方や考え方 |
類義語 | 先入観 |
英語訳 | prejudice(偏見)など |
「偏見」の意味をスッキリ理解!
「偏見」の意味を詳しく
「偏見」とは、客観的根拠もなしに人や集団に対して抱く、かたよった意見や判断を指します。ほとんどの場合、このかたよった見方は好意的でないことが多いです。
それでは漢字を見ていきます。「偏」は、かたよること、本筋や中心からそれていることを指します。「見」は、見ることの他に、考え方や立場という意味を持っています。
事実上の根拠もなく、かたよった判断を下すとは具体的にどういうことなのか、説明します。例えば、ある特定の学校に対して自身の主観で「あまりよくない学校だ」と決めつけてしまうことです。
特に、その判断材料が、「茶色のセーターを着ている学生が多いから学力が高くない」など、裏付けが取れていないであろう事柄の場合、偏見だと言えます。このように、あらかじめかたよった知識や意見を持っていると、偏見に繋がります。
偏見の対象になるのは、人や集団に限らず、性別や宗教、年齢なども含みます。その中でも特に問題視されている、代表的な偏見について紹介します。
人種についての「偏見」
人類の歴史を振り返った時、人種にまつわる偏見が原因で起きた重大事件は非常に多いです。その中でも有名なのが、黒人に対する偏見で起きたアメリカの事件です。
アメリカでは昔、黒人は奴隷として扱われていました。黒人の奴隷制度が廃止された後も、彼らは多くの人に偏見を持たれ、不当な扱いを受けていました。そのなかでマーティン・ルーサー・キング・ジュニアという黒人はその扱いに対して抗議をし、人種差別の運動をはじめました。
そしてその運動が成果をあげ、彼らは法的に守られ、偏見の目も徐々に減りました。
男女についての「偏見」
男尊女卑という言葉を聞いたことはありますか。意味は、男性を重視し、女性を見下す態度や思想のことです。そしてこれは、現代の日本でも問題視されています。
例えば、「男性は仕事、女性は家庭」という考え方です。男性は社会に出て仕事をし、女性は結婚したら家事や育児に専念するべきだというものです。これも男性と女性の役割に対して偏見を持っているからこそ、生まれた考え方です。
現在では、このように性別を理由に役割を押し付けるのは良くないとし、女性が社会進出できるように様々な取り組みが行われています。
「偏見」の使い方
- 良く知りもしないのに、偏見を持つのは良くないことだ。
- 個人の独断と偏見で物事を進めてはいけない。
「偏見」の類義語
「偏見」には以下の類義語があります。
- 先入観:物事に対してあらかじめ持つ固定概念
偏見について話をするとき、類義語ではありませんが、差別という言葉がよく登場します。この差別とは、ある特定の集団に対して特別な扱いをすることです。その扱いが優遇と冷遇のどちらであっても差別と言い表すことができますが、一般的に、冷遇を意味します。
ある特定の集団を偏見の目で見ることによって、差別に繋がることが多いです。
「偏見」の英語訳
「偏見」を英語に訳すと以下のような表現になります。
- bias
(先入観) - prejudice
(偏見)
まとめ
以上、この記事では「偏見」について解説しました。
読み方 | 偏見(へんけん) |
---|---|
意味 | 根拠なしに抱かれるかたよった見方や考え方 |
類義語 | 先入観 |
英語訳 | prejudice(偏見)など |
根拠なく判断を下してしまうと、その物事の本質や新しい側面を知ることができなくなってしまいます。なるべく「偏見」を持たずに、広い視点で物事を見つめられるといいですね。