ことわざ「渡りに舟」の意味とは?使い方から類義語や英語まで解説

言葉

今回ご紹介する言葉は、ことわざの「渡りに舟」です。

言葉の意味・使い方・由来・類義語・英語訳についてわかりやすく解説します。

☆「渡りに舟」をざっくり言うと……

意味困っているときに、ちょうど助けになる人や状況に恵まれること
由来仏教の書物『法華経』より
類義語地獄に仏、日照りに雨など
英語訳He jumped at the proposition.(幸運にも君がきてくれた。)

「渡りに舟」の意味をスッキリ理解!

渡りに舟:困っているときに、ちょうど助けになる人や状況に恵まれること

「渡りに舟」の意味を詳しく


「渡りに舟」とは、困っているときにちょうど助けになる人や状況に恵まれることを意味することわざです。また、何かを望んでいるときに、ちょうどそれを都合よく得られるという意味もあります。

今回は「舟」という漢字を用いていますが、「船」を用いて「渡りに船」「渡りに船を得る」と表記することもあります。ちなみに、「船」は大型のものを指し、「舟」は手で漕ぐタイプの小さなものを指します。

なお、「渡りの舟」と言うのは誤りですので、注意しましょう。

「渡りに舟」の使い方

  1. 明日のシフトがどうしても人が足りなかったんだ。君が入ってくれるとは渡りに舟だよ。
  2. もう無理かと思ったときに手を差し伸べてくれたのが彼だった。渡りに舟とはよく言ったものだ。

ただ良いことが起きるだけでは、「渡りに舟」とは言えません。「渡りに舟」は、何かを必要としている状況があり、運よくそれが手に入ることを表します。

人にも物に対しても使える言葉ですので、日常のあらゆる場面で使うことができます。

「渡りに舟」の由来

このことわざは、仏教の書物『法華経』にある「渡りに舟を得たるが如(ごと)く」という表現がもとになっています。

『法華経』は仏教の教科書であり、大乗仏教の精神にまつわる話が多く語られています。

 

大乗仏教の精神によると、死後の世界において極楽浄土へ渡るためには、船に乗る必要があります。しかし、生前に信仰心のなかったものは船に乗ることができません。

そのため、より素晴らしい場所へと渡れるよう、平安初期の仏教の信仰者は、厳しい修行をすることで大きな「船」に乗ろうとしました。

「渡りに舟」は、三途の川を渡ろうとしている時に思いがけず船が現れる、という状況を表しています。

「渡りに舟」の類義語

「渡りに舟」には以下のような類義語があります。

  • 地獄に仏
  • 日照りに雨

「渡りに舟」の英語訳

「渡りに舟」を英語に訳すと、次のような表現になります。

  • He jumped at the proposition.
    (幸運にも君がきてくれた。)
  • It’s a godsend like a finding a ship when someone needs to cross a river.
    (誰かが川を渡ろうとするとき舟を見つけると、まるで神の使いのようだ。)

まとめ

以上、この記事では「渡りに舟」について解説しました。

意味困っているときに、ちょうど助けになる人や状況に恵まれること
由来仏教の書物『法華経』より
類義語地獄に仏、日照りに雨など
英語訳He jumped at the proposition.(幸運にも君がきてくれた。)

本当に困ったことがあるときに手を差し伸べてもらえる人というのは、日頃の行いの良さも関係しているでしょう。

普段から良い人間関係を築き、多くの人と関わり信頼を得ることが大切です。