今回ご紹介する言葉は、ことわざの「仏の顔も三度」です。
言葉の意味・使い方・由来・類義語・英語訳についてわかりやすく解説します。
☆「仏の顔も三度」をざっくり言うと……
意味 | どんなに優しい人でも、何度も失礼なことをされたら怒るということ |
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由来 | 「仏の顔も三度撫ずれば腹立つ」が由来 |
類義語 | 堪忍袋の緒が切れる、兎も七日なぶれば噛み付く、地蔵の顔も三度など |
英語訳 | Three strikes and you’re out.(三振したらアウト。) |
このページの目次
「仏の顔も三度」の意味をスッキリ理解!
「仏の顔も三度」の意味を詳しく
「仏の顔も三度」はどんなに優しい人でも、何度も失礼なことをされたら怒るということを表します。一般的に「仏の顔も三度」よりも、「仏の顔も三度まで」の方が頻繁に使われます。
相手がどのような人かを見て、行動を変えるのは良いことではありません。「仏の顔も三度」は、誰に対しても、失礼な態度を繰り返してはいけないという教えだといえます。
「仏の顔も三度」は「仏の顔も三度撫(な)ずれば腹立つ」の略です。「撫ずれば」の元の形は「撫ずる」です。「撫でる」ことを表します。
「仏の顔も三度」の使い方
- 友達は滅多なことでは怒らない。しかし、仏の顔も三度というように、遅刻を繰り返していたら、ついに友達は怒ってしまった。
- 彼はいつも優しいので、毎回たくさんの頼みごとをしてしまう。多くのことを頼まれるのに嫌気がさしたのか、ついに怒られた。仏の顔も三度とはこのことだ。
①・②の例文はいずれも、「普段は優しい人でも、毎回失礼なことをされたら怒る」という意味で「仏の顔も三度」を使っています。
「仏の顔も三度」の由来
「仏の顔も三度」は「仏の顔も三度撫ずれば腹立つ」を略したものです。
「仏の顔も三度撫ずれば腹立つ」は「2回目までなら許すが、3回目には怒る」ことを表します。しかし、「仏の顔も三度(まで)」と略して使うと、「3回目までは許すが、4回目以降は怒る」という意味に変化します。
ここで、なぜ3回までと決められているのか、疑問に思うかもしれません。3回である理由は、お釈迦様に関係があります。
なぜ三度なのか
お釈迦様は、釈迦(シャーキャ)国という小さな国で、王子として生まれました。釈迦国は現在のインドの辺りにあったとされています。
釈迦国の隣には、コーサラ国という大きな国がありました。ある日、コーサラ国が釈迦国に、王妃にするための身分の高い女性を要求します。
釈迦国は以前から、コーサラ国の物言いが乱暴なことを不満に思っていました。そこで、釈迦国はわざと身分の低い女性を送ったのです。
やがて、コーサラ国の王とその女性の間に子供が生まれました。そして、成長した王子は釈迦国に勉強のため訪れます。しかし、釈迦国で歓迎されなかったことから、王子は自分の母親が、実は身分が低かったことに気づきます。
王子は釈迦国を恨み、自分が王になったときには、釈迦国を滅ぼすことを心に決めました。時が経ち、王子が王になると、決めた通りに3度釈迦国へ出兵します。コーサラ国が釈迦国へ兵を送るたびに、お釈迦様は説得しました。そして、兵を撤退させることに成功します。
しかしながら、4回目に兵が送られてきたときには、お釈迦様はこれを因果応報(※1)だとしました。そのため、説得するのを止めてしまったのです。結果的に、釈迦国はコーサラ国に滅ぼされてしまいました。
お釈迦はこの時、3回目までは何か手を打つが、4回目以降はどうにもならないと考えました。このことから、「仏の顔も三度」は「3回目までは許すが、4回目は怒る」という意味になりました。
そこから最終的に、「いくら優しい人でも、何度も失礼なことをされたら怒る」という意味になりました。
- 因果応報(※1):良い行動をすれば、良いことが返ってくる。悪いことも同様。
「仏の顔も三度」の類義語
「仏の顔も三度」には以下のような類義語があります。
- 堪忍袋(かんにんぶくろ)の緒(お)が切れる:我慢できる範囲を超えたことで、怒りが爆発すること
- 兎(うさぎ)も七日なぶれば噛み付く:大人しい人でも、許容範囲を超えたら怒り出すこと
- 地蔵の顔も三度:「仏の顔も三度」と同じ意味
- 仏の顔も日に三度「仏の顔も三度」と同じ意味
- 無理は三度:「仏の顔も三度」と同じ意味
「仏の顔も三度」の英語訳
「仏の顔も三度」を英語に訳すと、次のような表現になります。
- Three strikes and you’re out.
(三振したらアウト。) - To try the patience of a saint
(聖人の忍耐を試す)
まとめ
以上、この記事では「仏の顔も三度」について解説しました。
意味 | どんなに優しい人でも、何度も失礼なことをされたら怒るということ |
---|---|
由来 | 「仏の顔も三度撫ずれば腹立つ」が由来 |
類義語 | 堪忍袋の緒が切れる、兎も七日なぶれば噛み付く、地蔵の顔も三度など |
英語訳 | Three strikes and you’re out.(三振したらアウト。) |
いくら優しい人だからといって、粗末に扱っていればいつか不満が爆発してしまいます。
何かしてもらったら感謝をする、または何か困っていることがあったら助けてあげるなど、相手を思いやる気持ちを忘れないようにしたいですね。