「コンプライアンス」の意味とは?使い方から英語や類語まで例文付きで

言葉

今回ご紹介する言葉は、カタカナ語の「コンプライアンス(compliance)」です。

「コンプライアンス」の意味や使い方、語源、類義語、「コンプライアンス」の違反事例についてわかりやすく解説します。

☆「コンプライアンス」をざっくり言うと……

英語表記コンプライアンス(compliance)
意味企業が法律や企業倫理を遵守すること、物体の変形のしやすさ
語源「従う」という意味の英語 “comply” から
類義語法令遵守、服薬遵守
「コンプライアンス」違反の例情報漏洩、不正経理、不適切な労働管理など

「コンプライアンス」とは?

コンプライアンス(compliance):企業が法律や企業倫理を遵守すること、物体の変形のしやすさ

「コンプライアンス」の意味を詳しく

「コンプライアンス」とは、企業が法律や企業倫理を遵守することや物体の変形のしやすさのことです。

「コンプライアンス」には大きく分けて2つの意味があります。一つは、「守ること、遵守すること」の意味です。そして、もう一つは「物理」の場面で使われる意味です。それぞれ分けて解説していきます。

「遵守」の意味の「コンプライアンス」

「コンプライアンス」は直訳で「法令遵守」と言います。そのままの意味で「法令を遵守すること」です。

ただ、最近では「法令」だけではなく社会的規範や倫理も守るというニュアンスが強くなっています。

そのため、「コンプライアンス」とは、主に企業が社会的規範に反することなく、公正・公平に業務遂行することを言います。法律を守るのはもちろんのこと、社会的なモラルやルールにも従って企業として活動していくことが「コンプライアンス」です。

このことを「ビジネスコンプライアンス」と言います。

 

もう一つ、「服薬コンプライアンス」というものもあります。こちらは、医療や看護の現場で使われる際の「コンプライアンス」です。

日本語では「服薬遵守」というもので、「患者が医者の指示通りに薬を服薬すること」という意味があります。

薬は飲む回数や時間、量が細かく決まっています。その指示通りに薬を服用している場合は「コンプライアンスがいい」ということがあります。反対に患者が薬の飲む量を守らなかったり、飲み忘れが多かったりする場合は「ノンコンプライアンス」と言います。

ビジネスの場面と医療の場面で意味が違ってくるので注意が必要です。

物理の世界での「コンプライアンス」

物理の世界で使われる「コンプライアンス」は「法令遵守」と意味が全く違います。

物理では「コンプライアンス」は「物体の変化のしやすさ」という意味で使われています。「機械コンプライアンス」や「弾性コンプライアンス」ということもあります。

すこし難しい定義で言うと「物体の伸縮性・可塑性を定量化した物理量」のことです。可塑性とは「固体に力を加えた時に力を加えるのをやめた後でもひずみがそのまま残る」という性質のことです。

粘土などは「可塑性が高い物体」で、ゴムや金属のように変形させたときにもとの形に戻ろうとする力が強いものは「可塑性が低い物体」であると言えます。

「コンプライアンス」の使い方

  1. コンプライアンス意識を持って行動してください。
  2. 我が社は小さいが、コンプライアンス体制は整っていると言える。
  3. テレビ業界では、コンプライアンスがうるさく言われている。
  4. ゴムはコンプライアンスが低い性質がある。
  5. コンプライアンスの単位はメートル毎ニュートンです。

➊~➌は「法令遵守」という意味で使われており、➍と➎では「物体の変化しやすさ」という意味で使われています。

「コンプライアンス」の語源

「コンプライアンス」の語源は英語の “compliance” です。

“compliance”は“comply” の変化形です。“comply”は、「応じる・従う・守る」という意味の動詞です。

そのため「法律や企業倫理を守ること」「医者の指示に従って服薬すること」などの意味になりました。どちらも要求や指示を「守って」います。

「コンプライアンス」の類義語

「コンプライアンス」には以下のような類義語があります。

  • 法令遵守:企業が法律・社会的規範に従うこと
  • 服薬遵守:患者が医者の指示に従って服薬すること

「コンプライアンス」の違反事例

「コンプライアンス」の意味が広いため、企業のコンプライアンス違反には様々なものがあります。以下に代表的なものを挙げます。

  • 不正経理:粉飾決算や脱税など
  • 製品に関する偽装:検査データ偽装や食品の産地偽装、ルートの偽装
  • 情報管理の不徹底:顧客の個人情報流失
  • 不適切な労務管理:社員の労働時間管理を適切に行っていない、サービス残業をさせる

また、これらの他に「インサイダー取引」などもコンプライアンス違反です。「インサイダー取引」とは、内部のものが未公開の情報を不正に利用したり、第三者に教えたりして証券市場の取引を行うことです。

未公開の情報を持っていることで圧倒的に有利になれるので、ほかの情報を持っていない投資家に損害を与えます。この「インサイダー取引」は法律で禁止されています。

まとめ

以上、この記事では「コンプライアンス」について解説しました。

英語表記コンプライアンス(compliance)
意味企業が法律や企業倫理を遵守すること、物体の変形のしやすさ
語源「従う」という意味の英語 “comply” から
類義語法令遵守、服薬遵守
「コンプライアンス」違反の例情報漏洩、不正経理、不適切な労働管理など

テレビなどでよく耳にする「コンプライアンス」という言葉ですが、複数の意味があり、知らなかった人も多いと思います。

この機会に使いこなせるようになりましょう。