「綸言汗の如し」の意味とは?使い方から類語や英語まで例文付きで解説

言葉

今回ご紹介する言葉は、ことわざの「綸言(りんげん)汗(あせ)の如(ごと)し」です。

言葉の意味、使い方、由来、類義語、英語訳についてわかりやすく解説します。

☆「綸言汗の如し」をざっくり言うと……

読み方綸言(りんげん)汗(あせ)の如(ごと)し
意味君主が一度口にした言葉は、取り消すことができないという意味
由来『漢書 劉向伝』という本の一節が和訳されたもの
類義語天子に戯言無し、蛙は口から呑まるるなど
英語訳A king’s word must stand.(国王の言葉は不変でなければならない。)

「綸言汗の如し」の意味をスッキリ理解!

綸言(りんげん)汗(あせ)の如(ごと)し:君主が一度口にした言葉は、取り消すことができないという意味

「綸言汗の如し」の意味を詳しく

「綸言汗の如し」は、君主が一度口にした言葉は、取り消すことができないという意味のことわざです。

「綸言」とは、君主の言葉のことです。「綸」には、太い糸という意味があります。つまり、「綸言」は太い糸のように力強い言葉だということです。

「如し」は、現代語にすると、「(直前の言葉)と同じである。」という意味です。つまり、「汗の如し」は、「汗と同じである」という意味になります。また、「汗」は、一度体内から出たら体に戻すことはできないということが表現されています。

「綸言汗の如し」は、どんな動物でも一度体内から出た汗を身体に戻すことができないように、太い糸のような力強い君主の言葉は取り消すことができないということを表します。

「綸言汗の如し」の使い方

  1. 最近は、官僚の失言がニュースでよく出ている。綸言汗の如しと言うし、発言は気をつけてもらいたい。
  2. 綸言汗の如しと言うのだから、ある程度立場のある人ならば発言は考えなければいけない。

「綸言汗の如し」の由来

「汗の如し」は、『漢書(かんしょ) 劉向伝(りゅうきょうでん)』という本の一節が和訳されたものです。

原文は次の通りです。

言号令如汗,汗出而不反者也

書き下し文は次の通りです。

号令は汗の如し。汗は出(い)でて反(かえ)らざるなり。

この部分を訳すと、「君主の言葉は汗と同じである。汗は出ても体内に戻すことはできない。」となります。

劉向は、中国前漢時代(紀元前202~紀元8年)の政治家です。儒学(じゅがく)を信仰し、多数の本を書きました。

「綸言汗の如し」の類義語

「綸言汗の如し」には以下のような類義語があります。

  • 天子に戯言(きげん)無し:天子の言葉に偽りがあってはならないということ
  • 蛙は口から呑まるる:黙っていればいいのに、うっかりした言葉で身を滅ぼすことのたとえ

ちなみに一文目の「天子」とは、天皇のことです。

「綸言汗の如し」の英語訳

「綸言汗の如し」を英語に訳すと、次のような表現になります。

  • A king’s word must stand.
    (国王の言葉は不変でなければならない。)

まとめ

以上、この記事では「綸言汗の如し」について解説しました。

読み方綸言(りんげん)汗(あせ)の如(ごと)し
意味君主が一度口にした言葉は、取り消すことができないという意味
由来『漢書 劉向伝』という本の一節が和訳されたもの
類義語天子に戯言無し、蛙は口から呑まるるなど
英語訳A king’s word must stand.(国王の言葉は不変でなければならない。)

君主に限らず、発言には気をつけたいですね。