コミットとは「約束」「関わること」「(IT用語で)処理を完了させること」という意味です。
ライザップのCMで「結果にコミットする」というフレーズが有名ですが、正しい使い方を知りたいですよね。
また、IT用語としての意味が気になる方も多いのではないでしょうか。
そこで、この記事ではコミットの意味や使い方、語源や関連語まで詳しく解説します。
☆「コミット」をざっくり言うと……
英語表記 | コミット(commmit) |
---|---|
意味 | 約束。約束する 関わること (IT用語で)処理を完了させること |
語源 | 英語の “commmitment” が省略されたもの |
類義語 | プロミス 約束 関係する |
関連語 | フルコミット オーバーコミット コミットチャージ など |
「コミット」の意味
- 約束。約束する
例:新規事業の成功をコミットいたします。 - 関わること
例:上司にコミットが足りないと言われて落ち込む。 - (IT用語で)処理を完了させること
例:今日中にコミットしてください。
コミットには3つの意味があります。
それぞれの意味を詳しく見ていきましょう。
意味①約束
コミットの1つ目の意味は、「責任をもって約束すること」です。
単なる口約束ではなく、責任の伴う約束であることを表します。
意味②関わること
コミットの2つ目の意味は、「物事に関わること」です。
単に関わるのではなく、責任をもって深く関わることを表します。
意味③(IT用語で)処理を完了させること
コミットの3つ目の意味は、IT用語で「処理を完了させ、結果を確定すること」です。
トランザクション処理と呼ばれる情報処理において、全ての処理を完了させることを表します。
また、Git(ギット)と呼ばれる管理システムにおいて、保存する時のコマンドはget commitといいます。
「コミット」の使い方
コミットには以下の3つの意味があります。
- 約束
- 関わること
- (IT用語で)処理を完了させること
コミットは、主に①の「約束」、または②の「関わること」という意味で使います。
①②の意味は、主にビジネスシーンで使いますが、近年では日常会話でも使われるようになりました。
③の意味は、IT分野の話題で使います。
使い方①「約束」という意味
「約束」という意味のコミットの例文には以下のようなものがあります。
- 私がコンサルするからには、売上の向上をコミットします。
- 新規事業の成功をコミットいたします。
使い方②「関わること」という意味
「関わること」という意味のコミットの例文には以下のようなものがあります。
- 弊社の課題にコミットできる人を探しています。
- 上司にコミットが足りないと言われて落ち込む。
②の「コミットが足りない」とは、「深く関わっていない」という意味です。
「コミット」の使い分けの注意点
コミットの意味「約束」「関わること」は、明確な使い分けがありません。
そのため、どちらの意味で使われているのか、文脈から判断する必要があります。
使い分けについて、以下のように考えることもあります。
意味 | |
---|---|
〜をコミットする | 〜を約束する |
〜にコミットする | 〜に関わる |
しかし、以下のような文章もあるため、一概に定義することはできません。
- 我が社の繁栄にコミットする
我が社の繁栄に関わる - 1年以内の我が社の繁栄にコミットする
1年以内の我が社の繁栄を約束する
「結果にコミットする」はどっち?
パーソナルトレーニングジムのRIZAPは、「結果にコミットする」という言葉が流れるテレビCMで有名です。
この場合、コミットは「約束」「関わること」のどちらの意味でもとることができます。
- 「約束」の場合
結果を出すことを約束する - 「関わること」の場合
結果を出すために関わる
しかし、公式サイトには以下のような文章が書かれています。
それは必ずお客様の叶えたい身体に向けて、結果にコミットすること。
私どもRIZAP(ライザップ)が考えるのはなりたい身体になるため
「結果を出す」お約束をするということ。
[出典:【公式】完全個室のプライベートジム|RIZAP [ ライザップ ]]
つまり、「結果を出すために関わる」ではなく、「結果を出すことを約束する」というニュアンスです。
「コミット」の語源
コミットの語源は英語の “commmitment” です。
英語の “commmitment” には以下のような意味があります。
- 委任、委託
- 約束
- 献身、深い関わり
“commmitment” が日本で使われるうちに、カタカナ語「コミットメント」として使われるようになりました。
その後、コミットメントが省略され、コミットに変化しました。
英語 “commmitment” は動詞にすると “commit” です。
“commit” の意味は「委託する」「約束する」です。
カタカナ語のコミットとはニュアンスが少し異なるため、使う時には注意しましょう。
「コミット」の類義語
コミットには以下の3つの意味があります。
- 約束
- 関わること
- (IT用語で)処理を完了させること
それぞれの意味ごとに類義語を見ていきましょう。
類義語①「約束」という意味
約束という意味のコミットには以下のような類義語があります。
- プロミス
約束 - 確約する
しっかりと約束すること
「コミット」と「プロミス」の違い
コミットとプロミスはどちらも「約束」という意味ですが、使う場面が異なります。
コミット | プロミス | |
---|---|---|
意味 | 約束。約束する | 約束。約束する |
使う場面 | 公的 | 私的 |
コミットはビジネスシーンなどの公的な場面で、責任の伴う約束をすることを表します。
一方、プロミスは友人関係などの私的な場面で、口約束のような責任を伴わない約束をすることを表します。
類義語②「関わること」という意味
「関わること」という意味のコミットには以下のような類義語があります。
- 関係する
ある物事が、別の物事に繋がっていること
「コミット」の関連語
コミットの関連語には以下のようなものがあります。
- フルコミット
①全面的に責任をもつこと
②積極的に関わること - オーバーコミット
①担当の範疇を越えて立ち入ること
②(IT用語で)仮想マシンを立ち上げる時、物理マシンに対して上限を越えた割り当てを行うこと - コミットチャージ
Windowsにおいて、プログラムが動作するために必要なメモリ容量の合計値 - コミットメッセージ
管理システムGitで、変更内容を伝えるために残しておく言葉 - コミットメントライン
銀行などの金融機関が、企業に対して一定の期間、一定の融資枠を設定し維持すること - コミッション
販売手数料 - コミッショナー
プロスポーツの最高責任者 - コミッティー
委員会
「フルコミット」の意味
フルコミットは、「全面的に責任をもつこと」「積極的に関わること」の2つの意味があります。
フルコミットは、英語で「いっぱい」という意味の “full” と “commit” を合わせた和製英語です。
英語圏では意味が伝わりませんので、注意しましょう。
「コミット」のまとめ
以上、この記事ではコミットについて解説しました。
英語表記 | コミット(commmit) |
---|---|
意味 | 約束。約束する 関わること (IT用語で)処理を完了させること |
語源 | 英語の “commmitment” が省略されたもの |
類義語 | プロミス 約束 関係する |
関連語 | フルコミット オーバーコミット コミットチャージ など |
コミットは文脈から意味を判断する必要があります。
この記事を参考にして、それぞれの意味をしっかり覚えましょう。