今回ご紹介する言葉は、熟語の「奏功(そうこう)」です。
言葉の意味・使い方・語源・類義語・英語訳についてわかりやすく解説します。
☆「奏功」をざっくり言うと……
読み方 | 奏功(そうこう) |
---|---|
意味 | 目標通りの結果を得ること |
語源 | 功績を奏上するという言い回しから |
類義語 | 成功、達成、上首尾 |
英語訳 | success(成功)、help(助け) |
「奏功」の意味をスッキリ理解!
「奏功」の意味を詳しく
「奏功」という熟語は、「目標通りの結果を得ること」という意味です。
「目標通り」という点から、事前に何か作戦や戦略を立てていることが前提となります。作戦や策略は、目標を達成するために考えるものですよね。
したがって、「奏功」の意味を「立てた作戦や戦略によって、物事が思った通りに運ぶこと」と詳しい形で言い換えることもできます。
関連語「功を奏する」とは?
「奏功」に似ている言葉として、「功を奏する」があります。「功を奏する」とは、「効果を現す」や「成功する」という意味で、「奏功」と同じ意味を持ちます。
同じ漢字が用いられていますが、その順番が逆になっているため、「奏功」を間違えて「功奏」と書かないように注意しましょう。
「奏功」の使い方
「奏功」の使い方の例として、以下のような文が挙げられます。
- 彼の狙いが奏功した。
- 新薬を使ったことが奏功し、病状が回復してきたようだ。
- 関ケ原の戦いは、小早川が寝返ったことが奏功して、徳川軍が勝利した。
上記の例文のように、「奏功」は「~が奏功し、~した」というような形で使われるのが一般的です。始めに行った作戦や戦略の内容を、「奏功し」の後にその結果を述べましょう。
2つ目の例文では、現在使っている薬から新しいものに変えるという「試み」によって、病状が回復に向かうという「良い結果」を得ることができたさまを「奏功」で表しています。
3つ目の例文は、歴史上の話からの引用です。関ケ原の戦いでは、徳川率いる東軍と石田率いる西軍が戦闘を繰り広げました。この戦いでは、西軍側であった小早川という武将が西軍を裏切るよう、東軍から使者が送られたとされています。
結果として、東軍が勝利を収めることになりました。東軍の作戦が「奏功」したのです。
「奏功」の語源
「奏功」という熟語は、「功績を奏上する」という言葉を由来としています。
まず「功績」とは、「優れた働き」や「立派な成果」を意味します。次に「奏上」は、「天子(てんし)に申し上げる」という意味を持ちます。「天子」とは中国における皇帝、また日本における天皇のことです。
つまり、「奏功」はもともと「権力者に対して、物事が上手くいったという成果を報告すること」という意味を持っていました。
ここから、単純に「目標通りの結果を得ること」という意味で用いられるようになっていったのです。
「奏功」の類義語
奏功には以下のような類義語があります。
- 成功:あることを目的通りに成しとげること
- 達成:あることを成しとげること
- 上首尾(じょうしゅび):物事が上手い具合に運ぶこと
これら3つの熟語と「奏功」は「物事がうまくいく」という点で意味が共通していますが、ニュアンスには違いがあります。
これら3語は、単純に「ある物事が上手くいったこと」を表しています。これに対して、「奏功」には「ある作戦や戦略が機能したことによって」物事を成しとげることができた、というニュアンスがあります。
違いを知って上手く使い分けましょう。
「奏功」の英語訳
奏功を英語に訳すと、次のような表現になります。
- success
(成功) - help
(助け)
英語に「奏功」と全く同じ意味の単語はありません。そのため、文脈に合わせて “success” や “help” といった表現を用いましょう。「~が奏功し」と言いたい場合は、「~によって」を意味する “due to” と組み合わせて “due to the success of ~” と表します。
「奏功」をよりシンプルに動詞の形で用いたい場合は、”help” を使いましょう。例えば、「新しい経済政策が奏功し、その国は経済成長を達成した」という文は、 “The new economic policy helped the country achieve economic growth.” のように表現することができます。
まとめ
以上、この記事では「奏功」について解説しました。
読み方 | 奏功(そうこう) |
---|---|
意味 | 目標通りの結果を得ること |
語源 | 功績を奏上するという言い回しから |
類義語 | 成功、達成、上首尾 |
英語訳 | success(成功)、help(助け) |
「奏功」の意味や使い方等を理解できたでしょうか。「功を奏する」など、関連語も合わせて覚えてみてください。