今回ご紹介する言葉は、四字熟語の「順風満帆(じゅんぷうまんぱん)」です。「順風満帆な人生」のような形で見かけることが多いでしょう。
今回の記事では、「順風満帆」の意味・例文・類義語・対義語・英語訳についてわかりやすく解説します。
☆「順風満帆」をざっくり言うと……
読み方 | 順風満帆(じゅんぷうまんぱん) |
---|---|
意味 | ものごとが順調に運ぶこと |
類義語 | 一路順風、上昇気流、一路平安など |
対義語 | 天歩艱難 |
英語訳 | smooth sailing(順風満帆)など |
「順風満帆」の意味をスッキリ理解!
「順風満帆」の意味を詳しく
「順風満帆」とは、物事が思うように進んでいく様子を指す言葉です。
「順風(じゅんぷう)」は、進行方向、特に船が進もうとする方向に向かって吹く風を表します。つまり追い風のことです。対義語は「逆風」です。
「満帆(まんぱん)」は、帆を限界まで張ることを言います。なお、「まんぽ」と読むのは誤りです。「帆」は、船の柱などに張られる布のことで、受けた風の力によって船を進ませます。
以上より、「船が、限界まで張った帆に追い風を受けて、快調に進む」というイメージから、「順風満帆」は「ものごとが順調に運ぶ」という様子を言い表します。
「順風満帆」の例文
- 私の人生は、まさに順風満帆だ。
- なにごとも順風満帆に行けばいいのに。
- プロジェクトの進行は、今のところ順風満帆と言える。
「人生」や「プロジェクト」など、道のりや過程を想起させる言葉とともに「順風満帆」を用いることが多いです。
「順風満帆」の類義語
順風満帆には以下のような類義語があります。
- 万事順調(ばんじじゅんちょう):すべてのことが思うように進むこと。
- 万事如意(ばんじにょい):物事が思うように進むこと。
- 一路順風(いちろじゅんぷう):自分が思う通りの方向へ、まっすぐ無事に進んでゆくこと。
- 上昇気流(じょうしょうきりゅう):ものごとが全て順調に進むこと。
- 一路平安(いちろへいあん):道中が順調または無事であることを祈る言葉。
- 順風に帆を上げる:物事が都合よく進んでいくこと。
- 追風(おいて)に帆を上げる:物事が都合よく進んでいくこと。
「万事如意」の「如意」は、「思い通りになること」を表す熟語です。
「一路順風」の「一路」は、「一筋のまっすぐな道」を表します。「どこまでもまっすぐな道を、追い風を受けて進む」というイメージから転じて、「自分が思う通りの方向へ、まっすぐ無事に進む」という意味合いを持つ言葉です。
「上昇気流」は、大気の中で、上に向かう空気の流れのことです。転じて、物事の調子が上向き、すべてが順調に運ぶことを表します。「上昇気流に乗る」といった形でよく使われます。
「一路平安」は、旅人を見送るときに使われる言葉で、主に手紙に用いられます。出発する旅人の道中が、無事であるように祈る言葉なのです。
「順風に帆を上げる」と「追風に帆を上げる」は、追風の時に帆を上げると強い推進力を船が得られる様子から転じて、物事が都合よく進んでいくことを表す言葉です。「追風」を「おいて」と読む点に注意しましょう。
「順風満帆」の対義語
順風満帆には以下のような対義語があります。
- 天歩艱難(てんぽかんなん):ものごとがうまくいかず、悩み苦しむこと。
「天歩艱難」の「天歩」は天運や時運を意味します。また、「艱難」は困難に苦しむことです。「天歩艱難」は、運命のめぐり合わせに恵まれず、また時の流れに乗ることができないために、悩み苦しむ様子を表します。
「順風満帆」の英語訳
順風満帆を英語に訳すと、次のような表現になります。
- smooth sailing
(順風満帆な) - have favorable winds
(順風満帆である) - go smoothly up
(順調に進む) - satisfactorily
(申し分ない)
1つ目の表現の “smooth” は、ものの表面が「なめらかな」という意味のほかに、ものごとが「順調な」という意味を持つ形容詞です。 “sailing” は “sail” という単語が変化したものです。「順調に海をわたること」というニュアンスの表現です。
“sail” は、名詞として使う場合は「帆」を意味し、動詞として使う場合は「海をわたる」という意味になります。 “sailing” の形に変わることで、動詞の性質を持ちながら「海をわたること」「航行(こうこう)すること」という名詞のような働きをします。
2つ目の訳にある “have” は、自分の身近なところや手元に何かを「もっている」「おいておく」「つかまえておく」という意味を持つ動詞です。 “favorable” は、ものごとや状況が「好都合な」「有利な」という様子を表すの形容詞です。
“winds” は、風を表す“wind” という名詞の複数形です。 “wind” は、形のない「風」を表すため、数えられない名詞です。しかし「冷たい風」「強い風」というように、風の性質や種類を表す場合は、数えられる名詞になり、複数形に変わることができます。
そのため、 “have favorable winds” の形で、「好ましい風を受ける、つかまえる」という意味になります。
3つ目の訳にある “go up” は、「上昇する」「あがる」「のぼる」という意味の表現です。 “go” と “up” の間に、「すらすらと」という意味の “smoothly” が入り、「ものごとが順調に進む」という意味になります。
4つ目の “satisfactorily” は、「申し分なく」「満足いくように」という意味の副詞です。ものごとが順調である様子を表現するときに、よく使われる単語です。
以下、それぞれの表現を用いた例文です。
- Though I thought he had led a smooth sailing life, under the surface,he came through many difficulties .
(彼の人生は順風満帆なものと思っていたが、見えないところで幾多の困難を経験していたのだった。) - Considering the recent performance of his team, it seems that it has favorable winds.
(最近の彼のチーム成績からすると、良い風が吹いているように思える。) - You should keep in mind that the life doesn’t always go smoothly up.
(いつ何時も上手くいくわけではないのが人生だということを、心にとめておきなさい。) - We hope that our plan will work out satisfactorily.
(計画が順風満帆に進むことを願う。)
まとめ
以上、この記事では「順風満帆」について解説しました。
読み方 | 順風満帆(じゅんぷうまんぱん) |
---|---|
意味 | ものごとが順調に運ぶこと |
類義語 | 一路順風、上昇気流、一路平安など |
対義語 | 天歩艱難 |
英語訳 | smooth sailing(順風満帆)など |
良い風に乗ってしまえば、周りの状況が常に移り変わるなかで、自分の能力を存分に発揮して「順風満帆」に物事を進められます。重要なことは、風の良し悪しを見極めること、そして風に乗るのに良いタイミングを見計らうことです。
良い風をとらえられるように、帆を張る準備をしておきましょう。