「インターン」と「インターンシップ」の違いとは?意味まで解説

違いのギモン

大学生にとってよく耳にする言葉である「インターンシップ」ですが、ほとんどの人が「インターン」と略して言うことがほとんどだと思います。

しかし、実は「インターン」と「インターンシップ」はそれぞれ元々は別物だということをご存知でしょうか。

この記事では、そんな「インターン」と「インターンシップ」の違いについて解説します。

結論:インターンは国家試験の受験資格を得るための実習訓練

「インターンシップ」は一般企業の業務を経験する「就業体験」で、「インターン」は理容師や美容師になろうとする人が国家試験の受験のために課される実習訓練のことを指します。

「インターン」をもっと詳しく


「インターン」という言葉は多くの学生の間で、後ほど説明する「インターンシップ」の略として使用され、実際に根付いていることもあり、間違いではありません。しかし、元々「インターン」は「インターンシップ」とは別のものを指すものとして定義されています。

「インターン」は美容師、理容師になることを目標に専門学校などに通っていた人が、国家試験を受験するための資格を得るために必要とされていた実習訓練を指します。

平成7年(1995年)に美容法が改正され、「インターン」への参加は必須ではなくなりましたが、法改正前までは1年間の「インターン」参加が必須とされていました。医師についても同じように昭和43年(1968年)まで必須とされていました。

 

現在では、美容師、理容師、医師も必須ではなくなり、一般企業の「インターンシップ」の実施数が増えていることもあり、「インターン」は「インターンシップ」を略したものとして使われることがほとんどです。

「インターン」といった場合、「インターンシップ」の略だと考えて差し支えない場合がほとんどです。

「インターン」の使い方の例

    • 美容師になるためにインターンに参加する。

→元々の「インターン」の使い方です。

    • 就職活動を控え、様々な企業のインターンに参加する。

→「インターンシップ」の略としての「インターン」です。

「インターンシップ」をもっと詳しく


「インターンシップ」とは一言でいうと「就業体験」です。実際にその企業で働くことを体験する場として、企業が学生に対して提供する活動です。

「インターンシップ」には後ほど説明するように「短期インターンシップ」と「長期インターンシップ」の2種類存在し、それぞれ違いが存在します。しかし、どちらも同じ「インターンシップ」を指し、略して「インターン」と呼ぶことが多いです。

 

「インターンシップ」は近年、「就業体験の場」から「採用活動の場」と形を変えつつあり、本来の目的から逸れているとの批判が高まっており、加盟企業の採用活動におけるルールを定めている、一般社団法人日本経済団体連合会(経団連)も是正のために議論を重ねています。

「インターンシップ」が採用活動の場となることで、学生の就職活動の早期化を促し、本分である学業に影響を及ぼすとされており、ニュース、新聞でも目にすることが多くなりました。

「インターンシップ」の使い方の例

  • スキルを磨くためにインターンシップに参加する。
  • その企業で働くイメージをつかむためにインターンシップに参加する。

「短期インターンシップ」と「長期インターンシップ」


「インターンシップ」と一言で言っても「短期インターンシップ」と「長期インターンシップ」の2種類が存在し、どちらを指すかあいまいになり混同してしまうことが多々あるため、簡単に解説します。

短期インターンシップ

短期インターンシップは主に就職活動を控える大学生に向けて、新卒採用を行う企業が就職活動の解禁前に実施するインターンシップです。期間は「短期」という名前が示すように1日~1週間程度と様々です。

実際に行う中身としては、その企業の実際の業務内容を説明する座学から、グループワークやグループディスカッションなど様々で、実際の業務を伴わないことがほとんどです。それらを通して、実際にその企業で働くイメージをつけます。

 

企業がそのような短期インターンシップを実施する目的としては、就活を控える大学生に対して就業体験の場を提供することです。位置づけとしては「会社を知ってもらうための活動」、「慈善活動」と表向きではなっています。

しかし、戦後稀にみる、完全な売り手市場の現在、各企業優秀な学生の奪い合いが過熱しており、企業はグループワークやグループディスカッションでの学生の立ち回りをチェックし、優秀な学生に目を付けるなど、「採用活動の場」という側面が強くなっています。

長期インターンシップ

長期インターンシップは主にベンチャー企業、その中でも特にIT企業が実施している長期型のインターンシップで、基本的には給与が発生します。そのため、「有給インターンシップ」と呼ばれることもあります。

長期インターンシップでは実際の業務を任され、学生は就職前にスキルを身に付けることができるといった大きなメリットがあります。

 

対象は大学1年生から就職先が決まった大学4年生までと様々で、短期インターンシップと比較すると、「採用活動の一環」という側面は薄いと言えます。

学生は実際の業務を任されることを通して自己成長すること、企業は優秀な学生を雇えることとお互いのメリットが合致した形で成り立っています。

まとめ

以上、この記事では、「インターン」と「インターンシップ」の違いについて解説しました。

  • インターン:元々は国家試験の受験資格を得るための実習訓練
  • インターンシップ:一般企業の業務を経験する就業体験

ほとんどの人が「インターン」を「インターンシップ」の略として使用していますが、元々は別のものを指していたことを知っている人は少なかったと思います。

現在は元の「インターン」制度が必須ではなくなったこともあり、「インターン」は「インターンシップ」の略として使用される形が根付きました。

一つの豆知識として覚えておくといいかもしれませんね。また、インターンシップには「短期インターンシップ」と「長期インターンシップ」の2種類があることもぜひ押さえておきたいところです。