「偽善者」の意味とは?どんな人?英語や例をわかりやすく解説

言葉

今回ご紹介する言葉は、熟語の「偽善者(ぎぜんしゃ)」です。

言葉の意味、使い方、類義語、対義語、英語訳についてわかりやすく解説します。

☆「偽善者」をざっくり言うと……

読み方偽善者(ぎぜんしゃ)
意味本心からではない、うわべだけの善行を行う人
類義語猫かぶり、偽君子、食わせ者
対義語偽悪者、露悪者
英語訳hypocrite(偽善者)

「偽善者」の意味をスッキリ理解!

偽善者(ぎぜんしゃ):本心からではない、うわべだけの善行(ぜんこう)を行う人

「偽善者」の意味を詳しく


「偽善者」とは、「偽善」を行う人を指して使う言葉です。「偽善」とは、読んで字のごとく、本心を偽った善行のことです。

つまり、「偽善者」は、本心からではない、うわべだけの善行を行う人を指して使われる言葉なのです。

善行は、善い行いのことであるため、一般的には良いものとしてとらえられます。しかし、同じ善行でも、体面を繕(つくろ)った上辺だけの行動は、完璧な「善」とは言えないものがあります。

 

善行には、二つのパターンがあります。それは、相手のためを思う気持ちから善行を行っている場合と、利己的な気持ちから善行を行っている場合です。

前者の場合は動機が相手のためであるという点でまさしく「善行」と言えます。ただ、後者の場合は、表面上は相手のためを思っているように行動していながら、実際は自分の利益だけを追求しているという点で「偽善」に当たります。
以上のように、「偽善者」はかなりネガティブな表現として使われます。注意すべき点は、本心は結局のところ本人にしかわからないという点です。

「偽善者」だと思っていた人が、実は本心から善行を行っている善人だという場合も十分考えられます。

したがって、安易に他人を「偽善者」と評価するのは避けたいところです。

「偽善者」の使い方

  1. 彼は先生に評価されたいがために、先生の前でだけ礼儀正しくする偽善者だ。
  2. 周囲の人からの好印象を目当てにしてリーダーに名乗りを上げる人は偽善者だ。

①の例文では、先生に敬意を払うためではなく、先生から良い人だと思われたいという利己的な欲求があるという点で彼は「偽善者」とされています。

②の例文では、チーム全体を強くするためではなく、周囲から好評を得ようという自己中心的な理由でリーダーに名乗りを上げる人は「偽善者」に相当すると言っています。

「偽善者」の類義語

「偽善者」には以下のような類義語があります。

  • 猫かぶり:本性を隠し、大人しいふりをしている人のこと
  • 偽君子(ぎくんし):実際は君子(立派な人物)ではないのに、表では君子らしく見せる人のこと
  • 食わせ者 :表面だけでは判断しきれない、油断のならない者

「偽善者」の対義語

「偽善者」には以下のような対義語があります。

  • 偽悪家(ぎあくか):偽悪(わざと悪を装うこと)をする人のこと
  • 露悪家(ろあくか):悪いとされることも正当化する人のこと

「偽悪」「露悪」に関しては、「偽善者」のように「偽悪者」「露悪者」という使い方はしません。

「偽善者」の英語訳

「偽善者」を英語に訳すと、次のような表現になります。

  • hypocrite
    (「偽善者」のこと)

このように、英語にも「偽善者」を表す一語の単語が存在します。

まとめ

以上、この記事では「偽善者」について解説しました。

読み方偽善者(ぎぜんしゃ)
意味本心からではない、うわべだけの善行を行う人
類義語猫かぶり、偽君子、食わせ者
対義語偽悪者、露悪者
英語訳hypocrite(偽善者)

「偽善者」の意味や使い方など、理解することはできたでしょうか。

全く別の理由から善行を行う人を指す言葉ということもあり、やはり使われ方としてはかなりネガティブであると言えます。しかし、前述したように「偽善者」であると安易に決めつけることは良いことではありません。

意味や使い方を覚えるだけでなく、このような注意点にも気を配っていくとより適切な言葉の使い方ができるでしょう。