「時分」の意味とは?読み方は?使い方から英語や類語まで例文付きで

言葉

今回ご紹介する言葉は、熟語の「時分(じぶん)」です。

言葉の意味・使い方・類義語・英語訳についてわかりやすく解説します。

☆「時分」をざっくり言うと……

読み方時分(じぶん)
意味おおよその時期・時刻。また、ちょうどよい時期。
類義語時期、頃、好機
英語訳period(時期)、chance(好機)

「時分」の意味をスッキリ理解!

時分(じぶん):おおよその時期・時刻。また、ちょうどよい時期。

「時分」の意味を詳しく

「時分」という熟語には、主に2つの意味があります。

まず1つ目に「おおよその時期・時刻」という意味です。正確な時間の幅は決まってませんが、一定の時間を指すことのできる言葉です。

2つ目に「時分」は、「ちょうどよい時期、頃合い」という意味も持っています。これは、何かを行うのに適しているタイミングのことを表しています。

「時分」の使い方

「時分」の使い方の例として、以下のような文が挙げられます。

  1. ホテルに到着した時分には、一行はへとへとに疲れていた。
  2. 私の祖父は幼い時分から、生活に苦労していたそうだ。
  3. 彼は時分を見計らって、脱出に成功した。

最初の2つの例文では、「おおよその時刻・時期」という意味で「時分」を用いています。「ホテルに到着した時分」「幼い時分」のどちらも長さは違いますが、過去の一定の期間を表しています。また、2つ目の例文のように、特定の時期の何かを思い出す際によく使われます。

3つ目の例文では、「時分」を「ちょうどよい時期」という意味で使っています。このように「時分を見計らって」という形で使われることが多いです。

 

また、「時分」には慣用句が多く存在しています。その中でも代表的なものを紹介します。

時分柄とは

「時分柄(じぶんがら)」とは、「ある時分にふさわしいこと」という意味です。「時分柄の~」といえば、~はその時期にちょうど適したものであるということを表しています。

また、「時分柄お体にお気をつけください」という言い回しもよく使われます。ここでは、「体に不調をきたす可能性のある天候が多い時期なので」という意味で「時分柄」が使われています。

時分時とは

「時分時(じぶんどき)」は、「あることにふさわしい時刻」という意味を持ちます。ここから特に「食事の時間」を指す言葉として用いられています。

主に他人の家にいる際に「もう時分時なので失礼させていただきます」と、相手への気遣いを示す言葉としてよく使われていました。

時分の花とは

「時分の花」とは、主に日本の伝統芸能である「能」で使われている言葉で、「若い間だけ一時的に現れるおもしろさ」のことです。ここでは、「時分」が一定の時間の幅という意味で用いられています。

この言葉は、長い鍛錬の果てに獲得できる本質的な芸のおもしろさである「真(まこと)の花」と対比されています。

「時分」の類義語

時分には以下のような類義語があります。

  • 時期:一定の幅を持った時間のこと
  • :大まかに指されたある決まった時間の幅のこと
  • 好機(こうき):あることをするのにちょうどよい機会のこと

「時期」と「頃」は、「幅を持った時間」という意味において「時分」と共通点があります。しかし、それぞれニュアンスや使い方が異なっています。

 

まず「時分」と「頃」は、「時期」に比べて指す範囲が漠然としています。これらの2語には、幅のある時間に加えてその前後の時間も含めるという意味合いがあるのです。時間の幅が具体的に決まっている場合は「時期」を用いましょう。

次に、時を表す言葉と共に使えるのは「頃」のみです。例として、「午後10時頃」や「お昼頃」というように使うことができます。

「時分」の英語訳

時分を英語に訳すと、次のような表現になります。

  • period
    (時期)
  • chance
    (好機)

「時分」を直訳すると、「幅のある時間」という意味では period に、「好機」という意味では chance になります。

文章の形で「時分」を表したい場合は、「~の時」という意味を表すことのできる when を用いるといいでしょう。例えば、「使い方」の章にあった「ホテルに到着した時分には、一行はへとへとに疲れていた」という文は、“When we arrived at the hotel, all of us were tired.” と英訳できます。

まとめ

以上、この記事では「時分」について解説しました。

読み方時分(じぶん)
意味おおよその時期・時刻。また、ちょうどよい時期。
類義語時期、頃、好機
英語訳period(時期)、chance(好機)

時分という言葉は、「時分柄」や「時分時」という形で、様々な時間の概念を表す言葉として用いられてきました。

現在ではあまり見る機会がない言葉かもしれませんが、いざ使う場面が来た時のために、意味や使い方をきちんと理解しておきましょう。