今回ご紹介する言葉は熟語の「琴線(きんせん)」です。
言葉の意味・語源・使い方・類義語・英語訳についてわかりやすく解説します。
☆「琴線」をざっくり言うと……
読み方 | 琴線(きんせん) |
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意味 | 琴に張ってある糸・良いものに触れて、感銘を受けること |
語源 | 中国の故事『列子』 |
類義語 | 感銘を受けるなど |
英語訳 | touch a chord(胸に響く) |
「琴線」の意味をスッキリ理解!
琴線:琴に張ってある糸・良いものに触れて、感銘を受けること
「琴線」の意味を詳しく
琴線とは、琴に張ってある糸、または素晴らしいものに触れて感動したり心が共鳴したりすることを指します。人間の物事に感動したり、共鳴したりする感情を琴の糸にたとえて表現した言葉です。「琴線に触れる」で、一つの成句として用いられます。
言葉の意味を「怒りを買ってしまうこと」と誤解している人が多いと文化庁の調査で明らかになりましたが、これは間違いです。怒りを買うことを表す言葉は、「逆鱗に触れる」や「地雷を踏む」が正しいので、間違えないように注意しましょう。
また、「気に障ること」「癪(しゃく)に障ること」という意味も、間違いです。琴線に触れるは、ポジティブな意味合いを持つことをしっかり覚えておきましょう。
「琴線」の語源
琴線に触れるという表現は、古代中国の周の時代から使われるようになりました。その時代、伯牙(はくが)と鍾子期(しょうしき)の『列子』という故事で「君が琴を聴く耳は私の心の中とそっくりだ」と表現されたことから、この言葉が生まれたとされています。
そして現代の中国でも、日本と同様に感情を「琴の糸」にたとえ、感動や共鳴を表現する言葉が存在します。
「琴線」の使い方
- 彼の愛の言葉は彼女の心の琴線に触れた。
- 世界中の人の心の琴線に触れるような作品を創造することが私の夢だ。
「琴線」の類義語
「琴線」には以下の類義語があります。
- 感銘を受ける:深く感動すること・心に刻み付けること
- 胸に響く:物事や人の言動に感動すること
- 心にしみる:感慨深く感じること
「琴線」の英語訳
「琴線」を英語に訳すと以下のような表現になります。
- strike a chord
(胸にこたえる) - touch a chord
(胸に響く)
まとめ
以上、この記事では「琴線」について解説しました。
読み方 | 琴線(きんせん) |
---|---|
意味 | 琴に張ってある糸・良いものに触れて、感銘を受けること |
語源 | 中国の故事『列子』 |
類義語 | 感銘を受けるなど |
英語訳 | touch a chord(胸に響く) |
人それぞれ、心の「琴線」に触れるものは違うと思います。それは言葉であったり、景色であったり、作品であったりするでしょう。このように、様々な物が私たちの心を動かしているのです。人の心を動かせるような人になれるといいですね。