今回ご紹介する言葉は、四字熟語の「正当防衛(せいとうぼうえい)」です。
言葉の意味・使い方・類義語・対義語・英語訳についてわかりやすく解説します。
「正当防衛」の意味をスッキリ理解!
「正当防衛」の意味を詳しく
正当防衛は、自分の身を守るために本来は行なってはならない攻撃行為を、やむをえず相手に加えることです。日本では、刑法の36条で、「正当防衛による攻撃は処罰の対象にはない」と定められています。
しかし、「身を守る」ための攻撃行為が全て「正当防衛」になるとは限りません。正当防衛には以下の2つの条件が必要になります。
- 警察などに助けを求めるには遅すぎるような緊急事態であること
- 身を守るための攻撃が、必要最低限であること
つまり、たとえ身を守るためだとしても、警察官に助けを求めるほどの余裕があった場合や、あまりに過剰な攻撃を加えてしまうと、正当防衛としては認められない可能性があります。
正当防衛は、本来犯罪行為である攻撃や暴力を、やむを得ないものであったとして事実上許すものです。このため、正当防衛として認められるかという点は、慎重に判断されます。
「正当防衛」の使い方
- 彼女は強盗に襲われたので、正当防衛として、相手をスタンガンで気絶させた。
- 裁判官は状況を判断し、彼女の暴力行為を正当防衛として無罪を言い渡した。
「正当防衛」の類義語
正当防衛には以下のような類義語があります。
- 緊急防衛(きんきゅうぼうえい)
- 正当防御(せいとうぼうえい)
「正当防衛」の対義語
正当防衛には以下のような対義語があります。
- 過剰防衛(かじょうぼうえい):正当防衛のために行なった行為が、防衛の程度を超え過剰に攻撃を加えること
すでに解説したとおり、正当防衛が認められる条件は2つあります。1つ目は、「警察などに助けを求めるには遅すぎるような緊急事態であること」です。2つ目は、「身を守るための攻撃が、必要最低限であること」です。
これらの条件の範囲を超えて、自分の身を守るための攻撃を加えてしまうと、その攻撃は「過剰防衛」と判定されます。
同じ防衛ではありますが、正当防衛は処罰の対象にはならず、過剰防衛は処罰の対象になります。
そのため、過剰防衛は正当防衛の対義語と言えるのです。
「正当防衛」の英語訳
正当防衛を英語に訳すと、次のような表現になります。
- justifiable defense
(正当化できる防衛) - legitimate defense
(法律的に認められた防衛)
まとめ
以上、この記事では「正当防衛」について解説しました。
読み方 | 正当防衛(せいとうぼうえい) |
---|---|
意味 | 自分が理不尽に攻撃された時、やむをえず身を守るために相手に攻撃を加えること |
類義語 | 緊急防衛、正当防衛など |
対義語 | 過剰防衛など |
英語訳 | justifiable defense(正当化できる防衛), legitimate defense(法律的に認められた防衛) |
正当防衛は、自分の身を守るために必要な手段とはいえ、他人への攻撃行為を法律で許してしまうというものですから、その適用条件が厳しいことは仕方ないでしょう。
しかし、本当に危険を感じた時は、まず第一に自分の身を守るためにできる限りのことをしましょう。