今回ご紹介する言葉は、故事成語の「将星落つ(しょうせいおつ)」です。
意味、使い方、由来についてわかりやすく解説します。
☆「将星落つ」をざっくり言うと……
読みかた | 将星落つ(しょうせいおつ) |
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意味 | 偉大な人物が亡くなること。また、将軍が陣中で命を落とすこと |
由来 | 『三国志』で、諸葛亮の死の場面に赤い星が現れたとあることから |
「将星落つ」の意味をスッキリ理解!
「将星落つ」の意味を詳しく
「将星落つ」は、偉大な人物の死をさす言葉です。「星が落ちる」と言っているので、なんとなく不吉な感じが伝わってくるでしょう。「巨星墜(お)つ」という言い方でも使われることが多いです。
「将星落つ」は、もともと「将軍が陣中で命を落とすこと」という意味でした。しかし、現在では意味が広がって「偉人や英雄が亡くなること」という意味で使われています。
「将星落つ」の使い方
- 水害のときに自ら避難を指揮した災害対策部長は水死した。将星落つような殉職だ。
- 数々の人気映画を手がけた大監督の死が、「将星落つ」の見出しで紹介されていた。
- 名作ドラマの20年ぶりの再放送は、主演俳優の将星が落ちるのを予期していたようだった。
「将星落つ」の由来
「将星落つ」は、陳寿が書いた中国の歴史書『三国志』に由来します。
『三国志』は、今からおよそ1,900年ほど前の、中国が3つの国に分かれて争っていた時代の出来事を生き生きと描いています。ちなみに、現代の日本や中国でも愛されている歴史物語は『三国志演義』と言います。
『三国志』は、3つの国それぞれの主要な人物一人ひとりにフォーカスして書かれています。
その中の一国・蜀(しょく)の諸葛亮について書かれた部分に、「将星落つ」の由来となった一節があります。
晉陽秋曰、有星赤而芒角、自東北西南流、投于亮營、三投再還、往大還小、俄而亮卒。
現代語に訳してみましょう。
『晉陽秋』によれば、赤くとがった星があって、北東から南西に流れ、(諸葛)亮の陣地に向かって、3回落ちては戻り─落ちるときは大きく戻るときは小さくなって─にわかに(諸葛)亮は倒れた。
諸葛亮(孔明)は非常に賢いことで知られ、現代でも彼の名前から「孔明の罠」などの言葉が使われているほどの人物です。
偉大な人物の死の直前に現れた、不気味に動く赤い星。本当にあった出来事なのか疑わしいような不思議な話ですね。ともかく、この一節から「将星落つ」「巨星墜つ」といった言葉が生まれました。
ちなみに、諸葛亮の死の場面を詩にした日本人がいます。土井晩翠(どい ばんすい)は、「星落秋風五丈原(ほしおつ しゅうふう ごじょうげん)」という格調高い詩にまとめました。彼は、「荒城の月」や全国の学校の校歌などの作詞もしています。
「秋風星落五丈原」にはメロディがつけられ、創価学会歌として歌われているようです。
まとめ
以上、この記事では「将星落つ」について解説しました。
読みかた | 将星落つ(しょうせいおつ) |
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意味 | 偉大な人物が亡くなること。また、将軍が陣中で命を落とすこと |
由来 | 『三国志』で、諸葛亮の死の場面に赤い星が現れたとあることから |
「将星落つ」は、直接的な表現を避ける「死」にまつわる言葉です。言い換えの表現をたくさん知っていて損はないでしょう。