今回ご紹介する言葉は、四字熟語「油断大敵(ゆだんたいてき)」です。
言葉の意味・使い方・由来・類義語・英語訳についてわかりやすく解説します。
☆「油断大敵」をざっくり言うと……
読み方 | 油断大敵(ゆだんたいてき) |
---|---|
意味 | 注意を怠ると思わぬ失敗をするため、気を引き締めておくべきということ |
由来 | 慣用句「油断大敵、火が亡々」または『大般涅槃経』 |
類義語 | 油断強敵、伏寇在側 |
英語訳 | Security is the greatest enemy.(安心は最大の敵である) |
「油断大敵」の意味をスッキリ理解!
「油断大敵」の意味を詳しく
「油断」とは、注意を怠って、気を緩めることを示します。そして、「大敵」とは思わぬ失敗や困難のことを指します。
つまり、これらの言葉が合わさって、「注意を怠ると思わぬ失敗や困難が生じるので、気を引き締めておくべきだ」という警告の意味になります。
「油断大敵」の使い方
- どんなに安全な国だと言われていても、旅行時には油断大敵だ。
- 油断大敵というから、念には念を入れて試験の準備をするつもりだ。
②の例文では、どんな問題が出題されるかわからないからこそ、気を引き締めて慎重に準備することの重要性を説いています。
「油断大敵」の由来
油断大敵の由来には、2つの説があります。
まず、「油断大敵、火が亡々(ぼうぼう)」という日本の慣用句から「油断大敵」がうまれたという説があります。
これは、「火を灯すときに、油が切れると火も消えてしまうため、気を抜いてはいけない」という意味です。この意味から「油断大敵」という言葉が生まれたといわれています。
次に、『大般涅槃経(だいはつねはんぎょう)』という、原始仏教の経典が由来であるという説もあります。これは、仏教の開祖である釈迦(しゃか)の晩年から死没前後の話と、仏教について述べたものです。
この中で「王が家来たちに命じた。油の鉢を持って繁華街を歩け。決してこぼすことがないようにしろ。もし一滴でも油をこぼしたら、おまえの命を絶つ」という部分があります。
これは、仏教の修行の厳しさを説くための話です。ここから「失敗しないように気を緩めることなく励む」という意味に派生して「油断大敵」という言葉が生まれたという説もあるのです。
「油断大敵」の類義語
油断大敵には以下のような類義語があります。
- 油断強敵(ゆだんごうてき、ゆだんきょうてき):油断は恐ろしい敵であるということ
- 伏寇在側(ふくこうざいそく):常に身のまわりの注意を怠らず、慎重に行動をするべきだということ
これらは、油断大敵とほぼ同じ意味を示します。
「油断大敵」の英語訳
油断大敵を英語に訳すと、次のような表現になります。
- Security is the greatest enemy.
(安心は最大の敵である) - Don’t be too sure about yourself
(過信は禁物である)
Security(安心)の代わりに、overconfidence(自信過剰)や、carelessness(不注意)を使っても、油断大敵のニュアンスを伝えることができます。
まとめ
以上、この記事では「油断大敵」について解説しました。
読み方 | 油断大敵(ゆだんたいてき) |
---|---|
意味 | 注意を怠ると思わぬ失敗をするため、気を引き締めておくべきということ |
由来 | 慣用句「油断大敵、火が亡々」または『大般涅槃経』 |
類義語 | 油断強敵、伏寇在側 |
英語訳 | Security is the greatest enemy.(安心は最大の敵である) |
油断大敵には様々な由来の説があることがわかりました。