今回ご紹介する言葉は、故事成語の「蛍雪の功」です。
意味や使い方、由来、類義語、英語訳についてわかりやすく解説します。
☆「蛍雪の功」をざっくり言うと……
読み方 | 蛍雪の功(けいせつのこう) |
---|---|
意味 | 苦労して学問にはげむこと、それが成功して報われること |
由来 | 蛍の光や雪の反射で勉強した成果が出たという物語から |
類義語 | 苦学力行、蛍窓雪案、孫康映雪 |
英語訳 | the fruit of diligent study(勤勉な学習の成果) |
「蛍雪の功」の意味をスッキリ理解!
「蛍雪の功」の意味を詳しく
「蛍雪の功」とは、たいへん苦労して学問にはげむことや、それが成功して報われることを指します。
「蛍雪」は、「苦労して勉学に励むこと」という意味です。どうして「蛍」と「雪」がこの意味になるのかは、後に詳しく説明します。
また、「功」は、「経験や努力の積み重ねで出てくる効果」という意味です。
そこから「蛍雪の功」とは、「苦労して勉学に励んだ成果」という意味になりました。
ちなみに、「蛍雪之功」と書く四字熟語として使われることもあります。
「蛍雪の功」の使い方
- 彼は病弱だったが、蛍雪の功を積むことで、志望校に合格した。
- 蛍雪の功となって、見事に医者になることができた。
➊では、「蛍雪の功」は、「苦労して続けた勉強」という意味で使われています。
それに対して➋では、「苦労して勉学に励んだ成果」という意味で使われています。
「蛍雪の功」の由来
出典は『晋書』という中国の古書です。
車胤(しゃいん)と孫康(そんこう)という若者は、官僚になるために学問に励んでいました。
しかし、彼らは貧しかったので灯油を買うお金がありません。
そのため、夜に勉強をするための明かりがありませんでした。
そこで、車胤は蛍を何匹も集めて袋に詰め、その明かりを使って夜な夜な勉強しました。
孫康は、雪を窓の外に積んで、雪の反射で部屋を明るくして勉強していました。
その結果、努力が報われて、二人は高い役職に就くことができました。
これらのエピソードがもとになって「蛍雪の功」という故事成語ができました。
そのため「蛍」と「雪」の漢字が使われています。
ちなみに、卒業式でよく歌われる『蛍の光』に出てくる「蛍の光 窓の雪」という歌詞はこのエピソードからとられています。
また、このエピソードがもとになってできた四字熟語や慣用句がほかにもあります。
「蛍窓雪案」や「孫康映雪」などです。
「蛍雪の功」の類義語
- 苦学力行:働いて学資を得て、苦労しながら懸命に勉強すること。
- 蛍窓雪案:苦労して勉学に励むこと。
- 孫康映雪:苦労しながらも学問に励むこと。
「蛍雪の功」の英語訳
「蛍雪の功」を英語に訳すと、次のような表現になります。
- the fruit of diligent study
(勤勉な学習の成果)
まとめ
以上、この記事では「蛍雪の功」について解説しました。
読み方 | 蛍雪の功(けいせつのこう) |
---|---|
意味 | 苦労して学問にはげむこと、それが成功して報われること |
由来 | 蛍の光や雪の反射で勉強した成果が出たという物語から |
類義語 | 苦学力行、蛍窓雪案、孫康映雪 |
英語訳 | the fruit of diligent study(勤勉な学習の成果) |
「蛍雪の功」は、日常生活では頻繁には使わないため、馴染みのない人も多いでしょう。
しかし、もとになったエピソードを知ると簡単に覚えることができると思います。
使いこなせるようにしましょう。