「独眼竜」の意味とは?読み方は?英語までわかりやすく解説

言葉

今回ご紹介する言葉は、故事成語の「独竜眼(どくりゅうがん)」です。

言葉の意味、例文、由来、将軍、現在についてわかりやすく解説します。

☆「独眼竜」をざっくり言うと……

読み方独竜眼(どくりゅうがん)
意味片目を失った英傑
由来『唐書』の李克用から
歴史上の人物伊達政宗

「独竜眼」の意味をスッキリ理解!

独竜眼(どくりゅうがん):片目を失った英傑

「独竜眼」の意味を詳しく

「独竜眼」とは、片目しか見えない英傑を指します。

そもそも、「独眼」とは、片目の目そのものや視力を失った身体障害の状態を意味します。失った目が、右目でも左目でも、同じように「独眼」と呼ばれます。

目を失う原因は、先天的要因と後天的要因があります。奇形による先手的な要因の場合もあれば、事故や戦闘中の負傷で後天的に独眼となる場合があります。

目が失われたために義眼を入れたり、眼帯などで目を隠すことによって、自らの威厳を示すこともあります。この理由が派生して、独眼の英雄が「独竜眼」と呼ばれるようになりました。

「独竜眼」の例文

奥州の名将、独竜眼といえば伊達政宗だ。

「独眼竜」は伊達政宗のイメージが強いです。また、日常生活ではあまり使用しない言葉です。

「独竜眼」の由来

独竜眼の発端は、『唐書』(とうじょ)です。これは、中国、唐代の歴史書です。

この歴史書に登場する、唐代末期の李克用(りこくよう)が初めて独眼竜と呼ばれた武将です。

李克用は、生まれつき片目が非常に小さく、片方の目しか無いように見えたそうです。しかし、その戦いぶりは勇ましく、李克用の率いる軍団は黒色に統一された軍装であったことから、他の軍から恐れられていたそうです。

片目の猛将として、人々から「独竜眼」と呼ばれたのです。

「独竜眼」の将軍

日本で「独竜眼」という言葉は、伊達政宗(だてまさむね)の通称として使用されます。

伊達政宗は、戦国時代の将軍です。彼は幼少の頃、天然痘(てんねんとう)と呼ばれる感染症を患い右目を失いました。伊達政宗が片目であったことは有名でしたが、本人はそれを気にしていたため、当時の肖像画は両目とも健康な状態で描かれているようです。

そんな伊達政宗が独眼竜と呼ばれるようになったのは江戸時代以降であると言われています。頼山陽(らいさんよう)の漢詩がきっかけで呼ばれるようになりました。

頼山陽は『多賀城瓦研歌』の漢詩の中で、このように歌いました。

河北終ニ帰ス独眼竜

ここで頼山陽は、伊達政宗を李克用に重ねて「独眼竜」と歌いました。「河北」は李克用の本拠地でしたが、頼山陽は日本の東北地方の比喩として用いました。また、伊達政宗も黒色の軍装を身にまとった部隊を作り上げたそうです。両者とも、周りの脅威だったようです。

頼山陽は伊達政宗と李克用の共通点を強調しました。二人は、どちらも強大な軍事力をもった片目の将軍であることから、「独眼竜」という同じ名称で呼ばれるようになったのです。

「独眼竜」の現在

伊達政宗の影響を受けて、片目を失ったキャラクターはアニメで登場するようになりました。

アニメには片目を失った、もしくは片目を隠されて描かれているキャラクターが存在します。このようなキャラクターは、クールで現実世界から逸脱した人物として描かれていることが多いです。また、何を考えているか表情が分かりにくい印象を持たせます。

有名な片目のキャラクターは、『ブラックジャック』のブラック・ジャックです。ブラックジャックは、片目しか描かれていません。法外な報酬を要求する外科医として、何を考えているか分からないイメージを読者に持たせます。

伊達政宗は強く、かっこいい印象があるため、片目のキャラクターもかっこいい印象が与えられます。

まとめ

以上、この記事では「独竜眼」について解説しました。

読み方独竜眼(どくりゅうがん)
意味片目を失った英傑
由来『唐書』の李克用から
歴史上の人物伊達政宗

「独眼竜」は戦国大名の伊達政宗を指して使用する言葉だと分かりました。政宗は天下統一こそ成し遂げませんでしたが、名将として語り継がれています。現在のアニメも、「独眼竜」の影響を受けているため、着目してみてください!