今回ご紹介する言葉は、故事成語の「人口に膾炙する(じんこうにかいしゃする)」です。
「人口に膾炙する」の意味、例文、由来、類義語、英語訳についてわかりやすく解説します。
☆「人口に膾炙する」をざっくり言うと……
読み方 | 人口に膾炙する(じんこうにかいしゃする) |
---|---|
意味 | 世間の人々に広く知れ渡ってもてはやされること |
由来 | 『周朴詩集序』という詩の「一篇一詠、人口に膾炙す」という言葉から |
類義語 | 喝采を博す、口の端に掛ける、脚光を浴びる、など |
英語訳 | be well known world wide (世界中に知られている) |
このページの目次
「人口に膾炙する」の意味をスッキリ理解!
「人口に膾炙する」の意味を詳しく
「人口に膾炙する」とは、世間の人々に広く知れ渡ってもてはやされることです。
「膾(なます)」とは細かく切った肉や魚のことを表しています。
また、「炙」とはあぶった肉のことを表しています。
そして、「人口」とは人の数ではなく、文字通り人の口のことを表します。
ちなみに、「膾」も「炙」もごちそうで、誰の口にもおいしく感じられ、もてはやされることから上記のような意味が生まれました。
特に詩や文が世間に広く知られてもてはやされることを表すことが多いでしょう。
そして、ポジティブな意味で使われることが多いです。
そして、「人の口に膾炙する」と表記されることもあります。
ただ、「人工に膾炙する」と表記するのは間違いなので注意が必要です。
「人口に膾炙する」の例文
- 夏目漱石の作品は人口に膾炙して、現在に至るまで多くの人に読まれている。
- 彼は長い間世間から知られていなかったが、現在彼の名前は人口に膾炙している。
- 人口に膾炙する作品というものは、世間の多くの人の共感を得た作品であることが多い。
➊や➋の例文のように、「人口に膾炙する」は「する」の部分が活用して用いられることが多いでしょう。
「人口に膾炙する」の由来
「人口に膾炙する」の出典は林嵩の『周朴詩集序(しゅうぼくししゅうじょ)』という詩です。
この詩の中に「一篇一詠、人口に膾炙す」という言葉が出てきます。
この言葉は「どの編もどの詩も、人々の口にのぼる」という意味を表しています。
これが「人口に膾炙する」の由来になっています。
「人口に膾炙する」の類義語
「人口に膾炙する」には以下のような類義語があります。
- 喝采を博す(かっさいをはくす)
- 持て囃す(もてはやす)
- 口の端に掛ける(くちのはにかける)
- 脚光を浴びる(きゃっこうをあびる)
「人口に膾炙する」の英語訳
「人口に膾炙する」を英語に訳すと、次のような表現になります。
- be well known world wide
(世界中に知られている) - be famous around the world
(世界中で有名である) - be highly praised for
(高く評価されている) - the world’s most admiblack
(世界でもっとも賞賛されている) - to be on one’s lips
(人々の口にのぼる)
まとめ
以上、この記事では「人口に膾炙する」について解説しました。
読み方 | 人口に膾炙する(じんこうにかいしゃする) |
---|---|
意味 | 世間の人々に広く知れ渡ってもてはやされること |
由来 | 『周朴詩集序』という詩の「一篇一詠、人口に膾炙す」という言葉から |
類義語 | 喝采を博す、口の端に掛ける、脚光を浴びる、など |
英語訳 | be well known world wide (世界中に知られている) |
「人口に膾炙する」はとても有名な表現ですから、聞いたことがあるという人も多かったのではないでしょうか。
しかし、故事成語だということは知らない人が多かったと思います。
友達などに、「人口に膾炙する」は故事成語だということを教えてあげるのもいいかもしれません。