今回ご紹介する言葉は、ことわざの「爪に火を灯す(つめにひをともす)」です。
言葉の意味・使い方・由来・類義語・英語訳についてわかりやすく解説します。
☆「爪に火を灯す」をざっくり言うと……
読み方 | 爪に火を灯す(つめにひをともす) |
---|---|
意味 | 極端に倹約をする |
由来 | ろうそくを買うことができないほどに貧しい為、代わりに無料で伸びる爪に火を灯して明かりに使用したこと |
類義語 | 「けちん坊の柿の種」「袖から手を出すも嫌い」「出すことは舌を出すのも嫌い」など |
英語訳 | to light one’s fingernail (instead of a candle)(ろうそくの代わりに人の指を明かりにする) |
このページの目次
「爪に火を灯す」の意味をスッキリ理解!
「爪に火を灯す」(つめにひをともす):極端に倹約をすること
「爪に火を灯す」の意味を詳しく
「爪に火を灯す」とは、極端に倹約をするという意味です。非常に貧しい生活をしていることを指します。また、「爪に火を点す」と表す事もあります。
「爪に火を灯す」の使い方
「爪に火を灯す」は、以下のように使用します。
- 爪に火を灯す生活をすることによって、風邪を引くなど健康に影響があっては意味が無い。
- 貯金を増やすためには爪に火を灯す生活をするよりも、多く稼ぐ事を考えた方が手っ取り早い。
- あの頃は爪に火を灯すような生活だった。なぜなら、財布をすられて全財産を失ったからだ。
①は、非常に倹約した生活を送っていても、病気になってしまったら医療費がかかるので元も子もないという例です。
②は、倹約した生活を送っていても、お金が増えるわけではないという意味で使用しています。
そして③は、非常に倹約した生活を送っていたことをたとえています。
「爪に火を灯す」の由来
「爪に火を灯す」は、ろうそくを買うことができないほどに貧しい為、代わりに無料で伸びる爪に火を灯して明かりに使用することが語源です。尾張(おわり、現在の愛知県)周辺で生まれた『大阪いろはかるた』の「つ」の札に描かれています。
また、江戸時代に松江重頼(しげより)が書いた俳諧論書『毛吹草』の、704のことわざの一つにも「爪に火を灯す」が収録されています。
「爪に火を灯す」の類義語
「爪に火を灯す」には以下のような類義語があります。
- けちん坊の柿の種:食べたあとの柿の種さえ、惜しんで人にやらないほどけちな人のこと
- 吝ん坊(しわんぼう)の柿の種:柿の種のような、何の役にも立たないものまで物惜しみをするほどけちな人のこと
- 袖から手を出すも嫌い:お金を出すのはもちろん、袖から手を出すのも嫌いという意味
- 出すことは舌を出すのも嫌い:非常に出し惜しみすること
「爪に火を灯す」の英語訳
「爪に火を灯す」を英語に訳すと、次のような表現になります。
- He will shave a whetstone.
(彼は砥石(といし)まで剃る。) - to scrimp and save
(つつましく暮らす) - to pinch pennies
(けちをする) - to light one’s fingernail (instead of a candle)
(ろうそくの代わりに人の指を明かりにする)
まとめ
以上、この記事では「爪に火を灯す」について解説しました。
読み方 | 爪に火を灯す(つめにひをともす) |
---|---|
意味 | 極端に倹約をする |
由来 | ろうそくを買うことができないほどに貧しい為、代わりに無料で伸びる爪に火を灯して明かりに使用したこと |
類義語 | 「けちん坊の柿の種」「袖から手を出すも嫌い」「出すことは舌を出すのも嫌い」など |
英語訳 | to light one’s fingernail (instead of a candle)(ろうそくの代わりに人の指を明かりにする) |
「爪に火を灯す」には、このような意味や使い方があります。「爪に火を燃やす」と表すのは誤りなので、注意しましょう。