今回ご紹介する言葉は、故事成語の「正鵠を射る」です。
「正鵠を射る」の意味、例文、由来、英語訳についてわかりやすく解説します。
「正鵠を射る」の意味をスッキリ理解!
正鵠を射る(せいこくをいる):物事の要点を正しく抑えること
「正鵠を射る」の意味を詳しく
「正鵠を射る」とは、物事の要点を正しく抑えることです。
「正」も「鵠」も的の中心にある黒点のことを表しています。
そして、「正鵠を失わず」「正鵠を得る」と表記されることもあります。
このうち、「正鵠を得る」は長い間誤用だとされてきましたが、現在では正しい使い方であるとされています。
また、「正鵠」は「せいこう」と読まれることもあります。
「正鵠を射る」の例文
- 会議の中の彼の発言は、どれも正鵠を射ていた。
- 彼はいつも正鵠を射た発言をするので、部下から信頼されている。
- 私はいつも正鵠を射た発言をしているつもりだ。
「正鵠を射る」の由来
「正鵠を射る」の出典は『礼記(らいき)』です。
ちなみに、「鵠」は日本では「ハクチョウ」の異名です。
これが「的の中心」という意味を持つようになったのは、的の中心が黒ではなく白だったからだ、と言われています。
ここから転じて、「正鵠」は「物事の核心や要点」という意味を持つようになりました。
そして、「正鵠」は、明治には「正鵠を得る」という使われかたをするようになりました。
その後、「正鵠」に的の中心という意味があることから、昭和に「正鵠を射る」という形が生まれました。
そのため、「正鵠を得る」という用法は間違いではないです。
『礼記』
『礼記』とは、周から漢にかけて儒学者がまとめた礼に関する書物を戴聖(たいせい)という学者が編纂したものです。
この本は体系的な書物ではなく、全49編はそれぞれ独立した内容を持っています。
「正鵠を射る」の英語訳
「正鵠を射る」を英語に訳すと、次のような表現になります。
- to hit the mark
(要領を得る) - to hit the nail on the head
(図星を指す)
まとめ
以上、この記事では「正鵠を射る」について解説しました。
読み方 | 正鵠を射る(せいこくをいる) |
---|---|
意味 | 物事の要点を正しく抑えること |
由来 | 「正」にも「鵠」にも「的の中心にある黒点」という意味があったことから |
英語訳 | to hit the mark, to hit the nail on the head |
「正鵠を射る」はよく使われる言葉ですよね。
しっかりと正しい意味で使っていきたいものです。