「風前の灯火」の意味とは?使い方から類語や英語まで例文付きで解説

言葉

今回ご紹介する言葉は、故事成語の「風前の灯火(ふうぜんのともしび)」です。

意味や使い方、由来、類義語、英語訳などについてわかりやすく解説します。

☆「風前の灯火」をざっくり言うと……

読み方風前の灯火(ふうぜんのともしび)
意味危機的な状況、物事が消えかかっている状態
由来風の当たる場所で消えかかっている火の様子から
類義語泥船に乗る、風の前の塵、など
英語訳be in an extremely precarious position(非常に不安定な状態にある)

「風前の灯火」の意味をスッキリ理解!

風前の灯火:物事が危険にさらされているまま、非常に危ない様子のこと。

「風前の灯火」の意味を詳しく

「風前の灯火」とは、ある物事が非常に危険な状態のままでいる様子や、今にも無くなってしまいそうな様子のことです。

人や動物の命に対しても使うことができます。

「彼の命は、風前の灯火だ」などの表現は聞いたことのある人も多いでしょう。これは命が今にも消えてなくなりそうな様子を表しています。

また、「ふうぜんのともしび」を調べると、「風前の灯火」と「風前の灯」の2つの表記の仕方が出てきます。

これらは全く同じ故事成語を指すのでどちらで表記しても大丈夫です。しかし、分かりやすいように「風前の灯火」と5文字で表記することが多いです。

また、音が似ているために「空前の灯火」と間違えてしまう人も多いですが、これは存在しない故事成語です。

「風前の灯火」の使い方

  1. 私が病院についたときには、彼の命は風船の灯火だった。
  2. 僕たちの希望は風前の灯火で、どう見ても絶望的な状況だった。
  3. 取り返しのつかないミスのせいで、彼女の地位は風前の灯火だ。

➊は命が、➋は希望が消えかかりそうな様子を表しています。➌は地位が危うくなっている様子です。

「風前の灯火」の由来

「風前」とは、風の当たる場所という意味です。「灯火」はともして明りにする火のことです。ここでは、ろうそくのような小さな火を想像してください。

ろうそくの小さな火が風の当たる場所に置いてあったら、簡単に消えてしまいます。

その様子から「物事が消えかかりそうな様子」を表す故事成語になりました。

「風前の灯火」の類義語

  • 魚の釜中に遊ぶが如し(うおのふちゅうにあそぶがごとし):災難が迫っているのも知らずにのんきにしている様子
  • 風の前の塵(かぜのまえのちり):今にも消えてしまいそうな様子
  • 泥船に乗る:危機が差し迫っている様子
  • 瀕死の状態になる:死にかけている状態

最後の「瀕死の状態」は、「命は風前の灯火だ」のように「命が消えかかっている」という意味で使われる場合の類義語です。

「風前の灯火」の英語訳

「風前の灯火」を英語に訳すと、次のような表現になります。

  • be in an extremely precarious position
    (非常に不安定な状況にいる)

まとめ

以上、この記事では「風前の灯火」について解説しました。

読み方風前の灯火(ふうぜんのともしび)
意味危機的な状況、物事が消えかかっている状態
由来風の当たる場所で消えかかっている火の様子から
類義語泥船に乗る、風の前の塵、など
英語訳be in an extremely precarious position(非常に不安定な状態にある)

「風前の灯火」は非常に有名な故事成語です。

様々な場面で目にしたり、耳にする場面があるでしょう。

類義語もとても多いので、まとめて覚えましょう。