今回ご紹介する言葉は、故事成語の「万事休す」です。
この言葉は有名なので、聞いたことがある、という人も多いのではないでしょうか。
そして、有名な分、意味を知っておかないと、常識を疑われてしまうかもしれません。
そこで、「万事休す」の意味、由来、例文、類義語、英訳についてわかりやすく解説します。
☆「万事休す」をざっくり言うと……
読み方 | 万事休す(ばんじきゅうす) |
---|---|
意味 | もはや施す手段がなく、万策尽きること |
由来 | 甘やかされた王子に人々が嘆いた言葉から |
類義語 | 刀折れ矢尽きる、万策尽きる、事ここに至る、など |
英語訳 | To be at the end of one’s rope |
「万事休す」の意味をスッキリ理解!
万事休す(ばんじきゅうす):もはや施す手段がなく、万策尽きること
「万事休す」の意味を詳しく
「万事休す」とは、もはや施す手段がなく、万策尽きることです。
ちなみに、「万事」とは、「すべてのこと」という意味です。
また、「休す」とは休むということではなく、「すべておさまる」という意味です。
ちなみに、「万死窮す」と表記するのは間違いなので、注意が必要です。
「万事休す」の由来
「万事休す」の出典は『宋史』の「荊南高氏世家」という章です。
詳しく見ていきましょう。
昔、荊南(けいなん)という国の王子は王に甘やかされて育ちました。
ちなみに、王子の名前を保勛と言います。
彼は人が怒ってにらんでもにこっと笑いました。
そんな彼に、荊南の人々は「万事休すだ」と言ったのです。
また、王が保勛を溺愛し、それを見た人々が「万事休す」と嘆いたのだ、という説もあります。
ちなみに、保勛が王になった後、政治は乱れ、荊南は滅んでしまいました。
「万事休す」の例文
- 三点差がついてしまった。万事休すだ。
- 相手が強すぎて、どんな戦術も効かない、万事休すだ。
- 大事な会議があるのに、電車が止まってしまい、間に合いそうにない。万事休すだ。
- もう間に合わない。万事は休してしまった。
➍の例文のように、「万事」と「休す」の間に助詞を入れて、「休す」を活用させる場合もあります。
「万事休す」の類義語
「万事休す」には以下のような類義語があります。
- 刀折れ矢尽きる
- 事ここに至る
- 万策尽きる
- 弓折れ矢尽きる
「万事休す」の英語訳
「万事休す」を英語に訳すと、次のような表現になります。
- To be at the end of one’s rope.
(綱の端に来る) - There is nothing more that can be done.
(もはやできることはない)
まとめ
以上、この記事では「万事休す」について解説しました。
読み方 | 万事休す(ばんじきゅうす) |
---|---|
意味 | もはや施す手段がなく、万策尽きること |
由来 | 甘やかされた王子に人々が嘆いた言葉から |
類義語 | 刀折れ矢尽きる、万策尽きる、事ここに至る、など |
英語訳 | To be at the end of one’s rope |
「万事休す」は日常生活でも使うことができるかもしれませんね。
ただ、「万事休す」な状況にはなりたくないものです。