今回ご紹介する言葉は、故事成語の「間髪を入れずに(かんはつをいれずに)」です。
この言葉は日常生活でもよく使われる言葉ですね。「間髪を入れずに」という表現が故事成語だと知らなかったという人も多いのではないでしょうか。
なんとなくの意味は知っているけど、詳しく説明できないという方もいると思います。そもそも「間髪」とは何のことなのでしょうか。
今回は、「間髪を入れずに」の意味、使い方、由来、類義語、英語訳についてわかりやすく解説します。
☆「間髪を入れず」をざっくり言うと……
読み方 | 間髪を入れずに(かんはつをいれずに) |
---|---|
意味 | 少しの間もおかずに、すぐに |
由来 | 中国の逸話集の「1本の髪を入れる隙間もないほど」という表現から |
類義語 | 言うが早いか、矢先になど |
英語訳 | in no time(間を置かずに、すぐに) |
このページの目次
「間髪を入れずに」の意味をスッキリ理解!
「間髪を入れずに」の意味を詳しく
「間髪を入れずに」は、少しの間もおかないで、すぐにという意味です。
この言葉は有名ですが、読み方の間違いが非常に多いです。
「かんはつをいれずに」と読みます。「かんぱつ」と読んでいる人が非常に多いですが、間違いなので気を付けましょう!「かんぱつ」と辞書で引いても「間髪」は出てきません。しかし、パソコン上では「かんぱつ」と打たないと変換できないこともあるようです。
さらに、正しくは「かん はつ」のように間をおいて読む言葉なのです。しかし、時がたつにつれて1語のような扱いになり、今では「かんはつ」と間を開けずに読む人がほとんどになっています。
「間(かん)、髪(はつ)を入れずに」が正しい読み方です。
また、「入れず」ではなく「容れず」と書いてある辞書もありますね。もともとの古典の中では「容れず」と書かれています。しかし、現在では「入れず」と書いても問題はありません。
「間髪を入れずに」の使い方
- 彼は願いごとを聞かれ、間髪を入れずに「お金が欲しい」と答えた。
- 都会では田舎とは違って、電車が間髪を入れずにやってくる。
- かれが間髪を入れずに再就職したことを見ると、前から考えてあったのだろう。
どの例でも「すぐに」「即座に」などの言葉に置き換えることができますね。
「間髪を入れずに」の由来
「間髪を入れずに」という言葉は、中国の逸話集である説苑(ぜいえん)がもとになっています。
この中に出てくる「其の出づる出でざるは、間に髪を容れず」という表現からできた故事成語です。
「間に髪の毛1本も挟むことができないほどすぐに」という意味で使われた表現です。そこから意味が転じて、「即座に」「まもなく」などの意味で使われるようになりました。
「間髪を入れずに」の類義語
- 言うが早いか:物事が起こってからすぐに行動する様子
- 矢先に:物事が次々と起こる様子
「間髪を入れずに」の英語訳
「間髪を入れずに」を英語に訳すと、次のような表現になります。
- “in no time” (すぐに、間を置かずに)
- “in a moment” (すぐに、間を置かずに)
まとめ
以上、この記事では「間髪を入れずに」について解説しました。
読み方 | 間髪を入れずに(かんはつをいれずに) |
---|---|
意味 | 少しの間もおかずに、すぐに |
由来 | 中国の逸話集の「1本の髪を入れる隙間もないほど」という表現から |
類義語 | 言うが早いか、矢先になど |
英語訳 | in no time(間を置かずに、すぐに) |
「間髪を入れずに」はとてもよく見にする表現ですが、読み方など注意点が多い言葉でしたね。
正しい使い方ができるようにしっかりと理解しておきましょう!