今回ご紹介する言葉は、故事成語の「和を以て貴しとなす」です。
この言葉は聖徳太子が十七条憲法に採用したことで有名ですが、実は故事成語です。
とても大切な考えかたですから、意味を知っておきたいですよね。
そこで、「和を以て貴しとなす」の意味、由来、例文、英訳についてわかりやすく解説します。
☆「和を以て貴しとなす」をざっくり言うと……
読み方 | 和を以て貴しとなす |
---|---|
意味 | 人々がお互いに仲良く調和していくことが最も重要である、という教え |
由来 | 『礼記』の「礼は之和を以て貴しとなす」という表現から |
英語訳 | Cherish the harmony among people |
このページの目次
「和を以て貴しとなす」の意味をスッキリ理解!
和を以て貴しとなす:人々がお互いに仲良く調和していくことが最も重要である、という教え
「和を以て貴しとなす」の意味を詳しく
「和を以て貴しとなす」とは、人々がお互いに仲良く調和していくことが最も重要である、という教えです。
この言葉は聖徳太子が制定した十七条の憲法の第一条に出てくることで有名ですよね。
そして、「和を以て貴しとなす」はただ「仲良くしなさい」ということではなく、納得するまで議論するという意味を表しています。
つまり、全員が納得するまで議論を行い、全会一致で決めるのが理想だと言っているのです。
ちなみに、「和を以て尊しとなす」と表記するのは間違いではありませんが、「貴し」のほうが原典に忠実な表記です。
「和を以て貴しとなす」の由来
「和を以て貴しとなす」の出典は『礼記(らいき)』です。
この本の中に、「礼は之(これ)和を以て貴しとなす」という表現が出てくるのです。
『礼記』
『礼記』とは、周から漢にかけての儒学者がまとめた礼に関する書物です。
ちなみに、儒学者とは、儒教を学んだり、研究したり、教えたりする人のことです。
「和を以て貴しとなす」の例文
- わが社では「和を以て貴しとなす」の精神にのっとって、全会一致で物事を行っている。
- 和を以て貴しとなす、という精神はとても大切なので、ぜひ実践していきたい。
- 和を以て貴しとなすのが理想だが、現実ではそうもいかない。
「和を以て貴しとなす」の英語訳
「和を以て貴しとなす」を英語に訳すと、次のような表現になります。
- Cherish the harmony among people.
(人々の調和を大切にする)
まとめ
以上、この記事では「和を以て貴しとなす」について解説しました。
読み方 | 和を以て貴しとなす |
---|---|
意味 | 人々がお互いに仲良く調和していくことが最も重要である、という教え |
由来 | 『礼記』の「礼は之和を以て貴しとなす」という表現から |
英語訳 | Cherish the harmony among people |
「和を以て貴しとなす」はとても日本人的な考え方ですが、中国で生まれた言葉だったんですね。