「沽券にかかわる」の意味とは？使い方から英語や類語まで解説

今回ご紹介する言葉は、ことわざの「沽券にかかわる(こけんにかかわる)」です。

この記事では、意味や使い方、由来、類義語、英語訳についてわかりやすく解説します。

☆「沽券にかかわる」をざっくり言うと……

「沽券にかかわる」の意味をスッキリ理解！

「沽券にかかわる」の意味を詳しく

「沽券にかかわる」とは、人の評判や品位、名誉に差しさわりがあることを意味します。「人のプライドに悪影響を及ぼす」と捉えるとイメージしやすいかもしれません。

「沽券」とは、現在の私たちにとっては身近なものではありません。後ほど、「沽券にかかわる」の由来のところで詳しく解説しますが、「沽券」は、江戸時代において、家や土地の売買の際に交わされた文書のようなものです。

売る側は、土地や家を売り渡す際に、「沽券」を土地や家を買った人に渡します。そこには土地や家の値段、広さが書いてあったり、そこに土地や家の所有の証明がなされていたりします。

「沽券にかかわる」とは、評判や品位、名誉に悪影響を及ぼすことを意味することから、何かその背景に悪影響を及ぼすものがあると考えられます。

例えば、評判に悪影響を及ぼすものは悪口や悪いうわさ、品位に悪影響を及ぼすものは挨拶(あいさつ)ができないことやだらしない身だしなみなどです。

「沽券にかかわる」の使い方

➀では、泥酔した写真が、女優の評判や品位に差し支えるという意味で使われています。

➁では、先生の悪いうわさが、名誉を保たなければならない先生の名誉に悪影響を及ぼすという意味で使われています。

➂では、社長に挨拶をし忘れるということが、彼の品位(場合によっては評判に)に差し支えるという意味で使われています。

「沽券にかかわる」の由来

「沽券」とは、江戸時代、土地や家を売買する際に交わされた文書です。そこには、土地・家の値段や広さなどの情報が書かれていました。

さらに、「沽券」は土地や家を所有しているという証明でもありました。江戸時代において、正式に江戸の街に住んでいるという証明になるのが「沽券」であったため、「沽券」は人々にとっては身分を象徴するものでもあったのです。

そして、時代がたつにつれ、「沽券」は意味を変え、人としての価値や品位などを表すようになりました。

こうして、現在のように、「沽券にかかわる」は人の評判や品位、名誉に差しさわりがあるという意味で用いられるようになりました。

「沽券にかかわる」の類義語

「沽券にかかわる」には以下のような類義語があります。

「沽券にかかわる」の英語訳

「沽券にかかわる」を英語に訳すと、次のような表現になります。

まとめ

以上、この記事では「沽券にかかわる」について解説しました。

「沽券にかかわる」の意味や使い方などを理解することはできたでしょうか。「沽券にかかわる」際には、何かしらの原因があります。

その原因は、基本的に良くないもので、「沽券にかかわ」らないようにするためにはそれを取り除く必要があります。

しかし、その原因は自分の中にある場合と自分の外にある場合とがあります。自分の身だしなみやマナーであれば、自分の中にあって、意識すれば簡単に直すこともできますが、悪いうわさや出回ってしまった良くない写真は簡単には取り除くことができません。

「沽券にかかわ」らないようにするためには、原因を作らないことが大切ですね。