作品のジャンルとして使われる言葉の中に「ミステリー」と「サスペンス」があります。どちらも似たような場面で用いる言葉ですが、両者には明確な違いがあるのです。
この記事では、「ミステリー」と「サスペンス」の違いについて解説します。
結論: 2 つの違いは焦点を当てているところ
ミステリーは作中に提示される謎を解く過程に焦点を当てています。一方、サスペンスは不安や緊張といった心理状態を作り出すことに焦点を当てています。
ミステリー
ミステリーは、物語中に生じた謎や事件が徐々に解き明かされる作品です。「神秘・不思議・謎」を意味する英単語 “mystery” がその名の由来です。
ミステリーが焦点を当てている部分は、作中で提示された謎が解かれていく過程です。そのため、謎を解く過程で「推理」という要素が含まれることが多いです。推理小説や推理漫画は、ミステリー作品の 1種です。
有名なミステリー作品の例として、『シャーロック・ホームズ』シリーズがあります。謎に包まれた不可解な事件を名探偵が解決していく様を描いています。
その他のミステリー作品
- 『名探偵コナン』
- 『金田一少年の事件簿』
- 『エルキュール・ポアロ』シリーズ
サスペンス
サスペンスは、登場人物の不安な心理状態を描いていく作品です。英単語 “suspense” がその名の由来です。「宙ぶらりん」を意味する言葉でしたが、そこから「観客の心を宙吊りにする」という意味をも表すようになり、作品のジャンルを示す言葉になりました。
サスペンスは謎解き要素を含むストーリー展開になることが多いため、ミステリーと混同されがちです。ただ、あくまでサスペンスの主眼は心理的な恐怖を読者や観客に抱かせる点にあります。
有名なサスペンス作品として、『刑事コロンボ』があります。刑事が謎を解きながら話が進むためミステリーのように見えます。ですが、追いつめられる犯人の緊迫した心理が克明に描かれているサスペンス作品です。
その他のサスペンス作品
- 『デスノート』
- 『ライアーゲーム』
- 『白夜行』(びゃくやこう)
まとめ
以上、この記事では、「ミステリー」と「サスペンス」の違いについて解説しました。
- ミステリー:謎解きの過程に焦点を当てた作品
- サスペンス:心理的な恐怖に焦点を当てた作品