学校で働いている人と言えば、「先生」ですよね。
「先生」を正式に言うと、どうなるでしょうか。「教員」「教職員」などの言葉が思い浮かぶと思います。
これらの言葉の違いは、何でしょうか。
結論:「教職員」は「教員」+「職員」
職員とは、事務員や用務員、給食の調理員などのことです。つまり、生徒を教える立場ではないものの、学校で働いている人のことを指します。
「教員」をもっと詳しく
「教員」は、学校で生徒を教える立場にある人を指します。いわゆる「先生」のことです。
生徒を教える立場にある人を、「先生」とまとめて呼ぶことが多いですが、実際にはさまざまな名前がついています。
そもそも「学校」は、幼稚園から大学まで幅広いものを指しています。そして、それぞれの学校ごとに、「先生」の正式名称も異なっているのです。
幼稚園・小中高等学校の「教員」
幼稚園から高校までは、先生のことを「教諭」「講師」と呼びます。
公立(都道府県立・市区町村立)の場合、教諭は教員採用試験に合格して、常勤(フルタイム)で働いている人を指します。私立の場合も、学校ごとに採用された人を指します。つまり、教諭は、会社で言うと正社員に当たります。
会社で言うと非正規にあたるのが、講師です。公立の学校では、自治体ごとに登録した講師がいます。必要に応じて、それぞれの学校へ派遣される仕組みになっています。
講師には、非常勤講師や常勤講師などの名前もあります。私立の学校では、授業のコマ数やクラスの数の都合などで講師を雇う場合が多くあります。
先生になるには、教員免許が必要です。
教員免許は、学校の種類ごとに分けられています。たとえば、小学校の教員免許と、高校の教員免許は分かれているのです。一方で、「養護教諭」と「栄養教諭」は、学校の種類に関係のない資格です。それぞれ、保健室の先生と、給食の先生と呼ばれますよね。
なお、教員免許を持たなくても、生徒を教える立場にある人がいます。
高校には、実験や実習の手助けをする「実験助手」がいます。理科実験や家庭科の実習などを手伝ってくれます。
大学の「教員」
大学の教員になるのに教員免許はいりません。そのかわりに、大学教員は、研究や実務などの実績をもとに採用されます。
大学教員は、教授、助教授、准教授、講師などのさまざまな役職に分けられています。それぞれに必要な研究実績や実務・教育上の実績は異なっています。
研究の実績とは、論文などのことです。大学教員になるには、すぐれた論文を書いてきた実績が求められます。なお、芸術・スポーツなどの分野では、作品や記録などが研究実績の代わりになります。
また、実務上の実績とは、知事や官僚、経営者などの経験を指すことが多いです。他にも、専攻の分野で働いてきた経験を買われて大学教員になる場合があります。
「教職員」をもっと詳しく
「教職員」は、教員だけでなく職員も含む、学校で働く人の総称です。
職員は、生徒を教える立場にはない人を指します。事務職員や用務員、給食の調理員などのことです。
用務員とは、学校の掃除をする人のことです。学校では、「お掃除のおじさん・おばさん」として、生徒と仲良くなることも多いでしょう。また、給食の調理員も、「給食のおじさん・おばさん」として生徒から慕われることが多いです。
また、大学でも、教務課や学生支援課など、学生と接する事務職員がたくさんいます。そのほかにも、広報課など、学校の運営に欠かせない部分を学校職員が担っています。
このように、学校は、教員だけでなく職員のおかげで運営されています。職員の中には、生徒と接する機会が多く、先生と同じように慕われる人もいます。
まとめ
以上、この記事では、「教員」と「教職員」の違いについて解説しました。
- 教員:いわゆる「先生」のこと。常勤・非常勤ともに含まれる
- 教職員:教員と職員を合わせた、学校で働く人の総称