今回ご紹介する言葉は、故事成語の「蝸牛角上の争い(かぎゅうかくじょうのあらそい)」です。
この言葉はとても勉強になる言葉です。
そこで、「蝸牛角上の争い」の意味、由来、例文、類義語、英訳についてわかりやすく解説します。
☆「蝸牛角上の争い」をざっくり言うと……
読み方 | 蝸牛角上の争い(かぎゅうかくじょうのあらそい) |
---|---|
意味 | 小さな者同士の争い、つまらないことにこだわった争いのこと |
由来 | 戴晋人が王をいさめるために使ったたとえ話から |
類義語 | 蝸牛の角の上に何事かを争う、コップの中の嵐、蛮触の争い |
英語訳 | A storm in a teacup |
このページの目次
「蝸牛角上の争い」の意味をスッキリ理解!
「蝸牛角上の争い」の意味を詳しく
「蝸牛角上の争い」とは、小さな者同士の争い、つまらないことにこだわった争いのことです。
ちなみに、「蝸牛」とは、カタツムリのことです。
そして、「蝸角(かかく)の争い」と表記されることもあります。
また、「蝸牛の角争い」と表記されることもあります。
「蝸牛角上の争い」の由来
「蝸牛角上の争い」の出典は『荘子』の「則陽(そくよう)」という章です。
そして、この言葉は戴晋人(たいしんじん)が魏の王様にしたたとえ話がもとになっています。
詳しく見ていきましょう。
戦国時代、魏の恵王(けいおう)は斉王(せいおう)を殺そうとし、暗殺をするか、戦争を起こして征伐するか迷っていました。
そんな王を見て、宰相(さいしょう:君主を補佐して政治を行う人)の恵施(けいし)は戴晋人を王のもとへ遣わせました。
戴晋人はまず、カタツムリの角の上にいる蛮氏(ばんし)と触氏(しょくし)がお互いの土地を取ろうと戦争をし、お互いに大きな損害を出したというたとえ話をしました。
続けて、彼は「宇宙の広大さに対して現実の世界はとても小さく、その中の魏の、さらに都の梁(りょう)はとても小さな存在だ。そして、王様のやり方は蝸牛角上の争いに他ならない」と言ったのです。
これに王様は説得され、戴晋人を大人物だと評価しました。
『荘子』は道教の始祖のひとりと言われる荘子の思想をまとめた書物です。
この本には多くのたとえ話が収録されています。
「蝸牛角上の争い」の例文
- 最後のお菓子を誰が食べるかもめているのは、まさに蝸牛角上の争いである。
- 彼は友達と蝸牛角上の争いをしていたが、途中でばからしさに気づいて譲ったようだ。
- 蝸牛角上の争いをするよりも重要なことがあると思う。
「蝸牛角上の争い」の類義語
「蝸牛角上の争い」には以下のような類義語があります。
- 蝸牛の角の上に何事かを争う
- コップの中の嵐
- 蛮触の争い
「蝸牛角上の争い」の英語訳
「蝸牛角上の争い」を英語に訳すと、次のような表現になります。
- A storm in a teacup.
(コップの中の嵐) - Meaningless argument
(意味のない争い)
まとめ
以上、この記事では「蝸牛角上の争い」について解説しました。
読み方 | 蝸牛角上の争い(かぎゅうかくじょうのあらそい) |
---|---|
意味 | 小さな者同士の争い、つまらないことにこだわった争いのこと |
由来 | 戴晋人が王をいさめるために使ったたとえ話から |
類義語 | 蝸牛の角の上に何事かを争う、コップの中の嵐、蛮触の争い |
英語訳 | A storm in a teacup |
「蝸牛角上の争い」はけんかをやめさせたい時などに使える言葉ですよね。
もし機会があれば、使ってきたいものです。