「百聞は一見に如かず」の意味とは?読み方は?例文付きで解説

言葉

故事成語の「百聞(ひゃくぶん)は一見(いっけん)にしかず」を紹介します。

日常生活の中で、物事が正しいかどうかを見極める場面がありますよね。そのような時、自分の判断基準となるのがこの故事成語です。

どのような意味を持ち、どのような場面で使用されるのか、この記事で紹介します。

☆「百聞は一見に如かず」をざっくり言うと……

読み方ひゃくぶんはいっけんにしかず
意味人から何度聞くより、自分で一回見た方が確かである
由来敵の軍勢を実際に見た方が作戦が立てられる、と中国の将軍が答えたことが由来
続き自分の目で見て考えて、それを実行して成果に結びつけることが大切
類義語論より証拠

「百聞は一見にしかず」とは

百聞は一見にしかず:人から何度聞くより、自分で一回見た方が確かである

「百聞は一見にしかず」についてもっと詳しく

「百聞は一見にしかず」とは、ある物事について何度もくりかえして話を聞くよりも、たった一度でも実際に見る方が、ずっとよく分かる、という意味です。

「百聞」は、話を百回聞くこと、を意味します。「一見」は、実物を一回見ること、を意味します。

「しかず」とは及ばない、という意味を持ちます。「~をするに越したことはない」、という意味です。

「百聞は一見にしかず」の由来

「百聞は一見にしかず」は、中国の古い書物である『漢書』に記載されています。『漢書』は 西暦 32~92 年に書かれた歴史書です。

漢の皇帝が、敵の軍勢について老将軍の趙充国(ちょうじゅうこく)に尋ね、敵を抑えるにはどれほどの兵力が必要か聞きました。

それに対して、趙充国は「百聞不如一見」と答えたそうです。そして、「軍事の現場は遠く離れているため、分からない。私が現場まで行き、そこから作戦を立てましょう。」と続けたそうです。

この漢書から「百聞は一見にしかず」は、人の話を聞くよりも実際に自分の目で確かめるほうが確実である、という教訓を持ちます。

「百聞は一見にしかず」の例文

  • 山登りは大変だと聞いていたけど、百聞は一見にしかずだと思い、始めてみた。
  • オーロラがきれいだと友達が言っていた。百聞は一見にしかずだしこの目で見てみたい。
  • 百聞は一見にしかずだ。色々話すよりも一度現場に行ってみよう。

「百聞は一見にしかず」の使用例

以下のような場面でも、「百聞は一見にしかず」を使用することができます。

先生「水素と酸素を化合すると水が発生します。」

生徒「それは本当ですか!?信じられません!」

先生百聞は一見にしかず!今から実験で検証してみましょう!」

生徒「分かりました。本当かどうか確かめてみます。」

「百聞は一見にしかず」の続き

「百聞は一見にしかず」には続きが存在します。これは後に創作されて付け足されてものです。

    • 百聞は一見にしかず

百見は一考にしかず

百考は一行にしかず

百行は一効にしかず

百効は一幸にしかず

百幸は一皇にしかず

この続きは以下の意味を示します。

百回人から聞いたことよりも、自分で一回見ることが重要である。

百回見ることよりも、自分で一回考えることが重要である。

百回考えることよりも、自分で一回行動することが重要である。

百回行動することよりも、一回成果をあげることが重要である。

百回成果をあげることよりも、一回幸せをつかむことが重要である。

百回幸せをつかむことよりも、一回周りを幸せにすることが重要である。

つまり、自分の目で見て考えて、それを実行して成果に結びつけることが大切であるという意味となります。そして、周囲の幸せを叶える人こそが、国を治める「皇」であるということです。

似た意味を持つ故事成語

「百聞は一見にしかず」と似た意味を持つ故事成語に「論より証拠」があります。

「論より証拠」とは、理屈を言い合うよりも、自分が正しいという証拠を実際に示した方がはっきりする、という意味です。実際に行動をとって、その方法が良いかどうかはっきりさせた方が良い、という教訓が「百聞は一見にしかず」と同じです。

「論より証拠」の使用例を見てみましょう。

A「昨日、河原でUFOを見たんだ!」

B「飛行機の光と間違えたのではないの?」

A「論より証拠!写真を撮ったから確認してみてよ!」

B「分かったわ」

まとめ

以上、この記事では「百聞は一見にしかず」について解説しました。

読み方ひゃくぶんはいっけんにしかず
意味人から何度聞くより、自分で一回見た方が確かである
由来敵の軍勢を実際に見た方が作戦が立てられる、と中国の将軍が答えたことが由来
続き自分の目で見て考えて、それを実行して成果に結びつけることが大切
類義語論より証拠

「百聞は一見にいかず」は、日常生活でもよく使用することが出来る言葉です。ぜひ使ってみてください!