オリンピックの「フルーレ」「エペ」「サーブル」の違いとは?

違いのギモン

オリンピック種目としても知られているフェンシングですが、一言にフェンシングといっても、「フルーレ」「エペ」「サーブル」という種類があるのは知っていましたか。この記事ではその違いを詳しく解説していきます。

結論:攻撃が有効になる部位が違う

「フルーレ」は、背中を含む胴体部分で攻撃が有効となる競技形式です。

「エペ」は、身体全身への攻撃が有効となる競技形式です。

「サーブル」は、腰から上の上半身全てで攻撃が有効となる競技形式です。

また、武器についても違いがあり、それぞれ競技形式と同じ名前の武器を使用します。

「フルーレ」をもっと詳しく

「フルーレ」は背中を含む、胴体のみが有効面となる競技形式です。手足は除きます。

フルーレの攻撃は突きのみで、「攻撃権」が大事となる種目です。両選手のうち、先に腕を伸ばし剣先を相手に向けた方に「攻撃権」が生じます。

相手がその剣を叩いたり払ったりして、剣先を違う方向に逸らせたり、間合いを切って逃げ切ったりすれば「攻撃権」は消滅し、相手に移ります。反撃できる権利を得るのです。

 

このように、攻撃をして防御し、反撃をして再び反撃されるといった瞬時の技と剣のやりとりがフルーレの魅力です。

フルーレは決闘の練習から発展したといわれています。練習の際は胴体部分にしか防具を着けていなかったことから、胴体のみが有効面になったそうです。

「フルーレ」の武器

全長が110cm以下、ブレードの長さ(剣身)が90cm以下、重さ500g以下で、直径12cm以下のつばがついている剣を使います。

競技同様「フルーレ」という名前です。

「エペ」をもっと詳しく

「エペ」は頭からつま先まで全身が有効面となる競技形式です。攻撃は突きのみです。

先に突いた方にポイントが入り、両選手が同時に突いた場合は双方のポイントとなります。電気審判器のランプの点灯に注目することでどちらの選手がポイントを取ったか簡単に見分けることができます。突いた側のランプが光ります。

エペは単純なルールで、分かりやすい種目といえます。

前腕を狙った攻防が続いていたと思ったら一転、相手の意表を突く攻めがあったり、機を見て思い切った接近戦に持ち込んだりと、スピーディかつ変化の多い試合展開がエペの魅力です。

エペは決闘そのものから発展した競技です。相手の血を流せば勝ちという実戦と同様の考えから、全身が有効面になったといわれています。

「エペ」の武器

全長が110cm以下、ブレードの長さ(剣身)は90cm以下、重さ770g以下で、直径13.5cm以下のつばがついた剣を使用します。

競技同様「エペ」という名前です。

「サーブル」をもっと詳しく

「サーブル」は、腰から上の上半身全てが有効面となる競技形式です。頭や腕も含みます。

サーブルはフルーレやエペと異なり、「突き」以外に「斬り(カット)」があります。ルールはフルーレと同じで、「攻撃権」に基づいています。

「斬り」の技が加わり、よりダイナミックな攻防を見ることができるのがサーブルの魅力です。

サーブルは、ハンガリー騎兵隊の剣技から発展した競技です。騎兵隊として馬を傷つけるのは不名誉なことであったため、上半身のみが有効面になったといわれています。

「サーブル」の武器

全長は105cm以下、ブレードの長さ(剣身)88cm以下、重さ500g以下で、直径14cm未満、全長15cm未満のつばがついた剣を使用します。

攻撃の主体となる「斬り」を意識して作られた武器です。

競技同様「サーブル」という名前です。

まとめ

以上、この記事では、「フルーレ」「エペ」「サーブル」の違いについて解説しました。

  • フルーレ:背中を含む胴体部分が有効面の競技形式、また、そこで使用する武器の名前
  • エペ:身体全身が有効面の競技形式、また、そこで使用する武器の名前
  • サーブル:上半身全てが有効面の競技形式、また、そこで使用する武器の名前

ルールが分かるとその競技の観戦が前よりも楽しくなりますよね。様々な競技を知って、大会でたくさん選手を応援しましょう。