「ご清祥」と「ご清栄」の違いとは?意味から使い方まで解説

違いのギモン

みなさんは、手紙を書く機会はありますか?

電子メールやSNSが普及した現在、改まった文章形式で手紙を書くことは、あまりないかもしれません。

 

しかし、ビジネスシーンなど、いざという時のために理解しておいた方がいいのが、手紙の書き方です。

例えば、「ご清祥(せいしょう)」と「ご清栄(せいえい)」の使い方の違いを知っていますか?見た目は似ていますが、実は意味や用法が異なっているのです。

今回は、そんな「ご清祥」と「ご清栄」の違いについて解説します。

結論:ご清祥は個人に、ご清栄は法人に使う

どちらも、手紙の前文でよく使われる言葉です。

「ご清祥」は、主に個人の幸せや幸福を祝う際に使われる挨拶です。

一方で、「ご清栄」は、主に会社などの法人の発展を祝う際に用いる挨拶です。

日本の手紙の形式


日本の手紙は、主に4つのパートから構成されています。

  1. 前文:手紙の冒頭の挨拶
  2. 主文:手紙の本題
  3. 末文(まつぶん):手紙を締めくくる挨拶
  4. 後付(あとづけ):日付けと名前

さらに「前文」は、3段階に分かれています。

  1. 頭語(とうご):手紙の一番初めに添える。例として、「拝啓」など。
  2. 時候の挨拶:季節に合わせた挨拶。例として、「うららかな好季節を迎え」など。
  3. 気遣いの言葉:相手の調子を気遣う。

今回の記事のテーマである「ご清祥」と「ご清栄」は、この「前文」の中の「気遣いの言葉」として使われているのです。

「ご清祥」をもっと詳しく


「ご清祥」の「」には、「めでたいこと」「めでたいことの前触れ」といった意味があります。

手紙の前文で「ご清祥」は、相手の幸せや健康を祝う際に用いられます。

「ご清祥」は、主に個人に手紙を書く時に使います。会社などの組織に対しても用いることはできますが、一般的にあまり使われません。

 

個人に対して、手紙を書く時に「ご清祥」を使う際には、「〇〇様におかれましては、なお一層ご清祥のこととお慶び申し上げます」といったように用いましょう。

似ている単語に、「ご健勝(ごけんしょう)」があります。意味や使い方はほとんど同じです。

「ご清栄」をもっと詳しく


「ご清栄」は、文字通りに「清く栄えること」を意味します。

手紙において、「ご清栄」という言い回しは、相手の健康や商売の繁栄に対して喜んでいることを伝えます。

「ご清祥」とは対象的に、「ご清栄」は、会社などの法人に対して、よく使われます

これは、「」に「ビジネスの発展」というニュアンスがあるからです。

 

このように、法人に対する手紙の前文の気遣いの言葉で「ご清栄」を使う場合は、「貴社におかれましては、ますますご清栄のこととお慶び申し上げます」といったように使いましょう。

ご盛栄(ごせいえい)」や「ご隆盛(ごりゅうせい)」「ご発展」も「ご清栄」と同じように、法人の発展を祝う際に用いることができます。

まとめ

以上、この記事では、「ご清祥」と「ご清栄」の違いについて解説しました。

  • ご清祥:主に個人に対して、健康や幸福を祝う挨拶
  • ご清栄:主に法人に対して、商売の繁栄を祝う挨拶

「ご清祥」と「ご清栄」には、言葉の意味による用法の違いがあったのですね。

いざ使うとなった時に、きちんと使い分けができるといいでしょう。